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アルコール性肝炎・薬剤性肝炎・脂肪肝・肝硬変の原因
過度の飲酒、農薬・医薬品・環境汚染物質等の有害な物質の摂取、脂肪やエネルギーの摂り過ぎ、運動不足などが標記の非ウイルス性肝炎と脂肪肝の原因とされている。
また肝硬変は別項のB型・Ⅽ型肝炎も含め、あらゆる慢性肝疾患の最終的段階として現れる。しかしここで強調しておかなければならないが、肝機能(特に解毒)を助ける栄養素、肝細胞の懐死を防ぎ再生を助ける栄養素を充分に摂取していれば、これらの肝臓病の発病のかなりの部分を予防できる。
たとえ発病しても、原因を除去した上で適切な栄養摂取を行なえば速やかに回復するのである。
その意味で標記の非ウイルス性肝炎や脂肪肝、肝硬変等は、明らかな栄養欠陥病であるということもできる。
アルコール性肝炎・薬剤性肝炎・脂肪肝・肝硬変の経過
前述のさまざま“直接的な原因”と栄養欠陥が重なると、肝細胞がその負担に耐えきれなくなって懐死し始める。
その際に炎症反応がおこると肝炎と呼ばれるが、自覚症状なしに細胞の懐死と脂肪変性が進行し、気がついたら脂肪肝になっていたというケースも少なくない。
脂肪変性というのは、死んだ肝細胞のすきまが脂肪の塊に置き換えられていくことで、肝硬変の前段階。
自覚症状はほとんどないがGOT、GPTなどの検査とエコー(超音波診断)で簡単に診断可能である。
どんな原因にしろ、肝細胞の懐死が進行し続けて再生が進まない場合は、死んだ部分の細胞が瘢痕(はんこん)組織という堅くて死んだ塊に置き換えられていき、この変性が一定以上に進んだ状態を肝硬変と呼ぶ。
アルコール性肝炎・薬剤性肝炎・脂肪肝・肝硬変の注意
過度の飲酒と過労は非ウイルス性肝炎や脂肪肝、肝硬変の大きな要因となる。
少なくとも肝炎や脂肪肝と診断された時点で、禁酒禁煙に踏みきり、後述の敵切な補助食品を摂取しつつ摂生すれば、よほど重症でない限りはほとんど完治する。
なお、有害化学物質に常時さらされる生活をしている人は肝炎になる危険性が高い。
後述の適切な補助食品を摂取していれば発病の危険を大幅に減らせるが、可能であれば生活環境そのものも変えられればよりベターである。
肝炎を経ずに脂肪肝が進行した人は大部分の場合、カロリーオーバー、肥満、運動不足、飲酒・喫煙、ストレス等のいくつか、または全部が重なりあっており、それに栄養欠陥は加わって発病している。
まず食事のコントロールと適度な運動で適正体重まで減量する必要がある。
減量と補助食品の組み合わせだけで脂肪肝がよくなれば、適度の飲酒は再開できる。
しかし体質によって、飲酒を続けているうちはどうしても肝臓の破壊が進む人がいるのでケースバイケースである。
単純な脂肪肝の場合と異なり、肝炎をおこしている時は、過労や過激な運動は禁物である。
ストレスは直接間接に肝炎を悪化させるので可能な限り避けたほうがよい。
アルコール性肝炎・薬剤性肝炎・脂肪肝・肝硬変の食生活の注意
ウイルス性肝炎の人は特にたんぱく質の中でもメチオニンなどの含硫アミノ酸を多く摂るとアルコール性肝炎・薬剤性肝炎・脂肪肝・肝硬変治りが早い。
一般の食品中では卵が、飛びぬけて含硫アミノ酸を多く含む食品なので、毎日二個食べるとよい。
なお、卵は高コレステロール食品なので血中コレステロールが高い人は卵を避ける傾向がるが、卵をやめるのではなくコレステロールの代謝を高める栄養素と食物繊維をしっかり摂り、トータルのカロリー摂取をコントロールするほうがずっと体によい。
もう一つの注意事項として、少なくとも完治するまでは、添加物や農薬を多く含む食品をできるだけ避けたほうがよい。
また、水道水中の塩素やトリハロメタンなども肝臓に負担をかけるので、浄水器等を使用するほうがベターである。
また、どんな病気の人に対してもいえることであるが、砂糖などの精製炭水化物を摂り過ぎると体内で脂肪に変換され、肥満・脂肪肝を促進させる。
適量の炭水化物は絶対必要であるが、できるだけゆっくり消化される食品で摂ったほうがよい。白米の御飯でも砂糖よりもずっとましであるが、五分づき米や玄米、スパゲティなどのほうがもっとよい。
アルコール性肝炎・薬剤性肝炎・脂肪肝・肝硬変の補助食品
たんぱく質・アミノ酸・・・・
体重1kg当たり1,5以上の完全たんぱく質が必要。
食事中のたんぱく質の計算が面倒なら、普通の健康的な食事(一日卵二個を含む)にたんぱく質純量で20g以上を補助食品で補う。
これはたんぱく含有量80%の粉末プロティンで大サジ山盛り三倍に相当する。
※ビタミン・ミネラル・・・・
ビタミンⅭ、Eはその倍量でもよい。
※核酸・・・・
懐死した肝細胞の再生と、全身の核酸の必要量を確保するためにぜひ必要。
サケ白子エキスとして1日1000mg以上、肝硬変が進行しつつある場合は2000~3000mg摂るとよい。
なお高分子DNAの摂取だけでも充分に有効であるが、費用的に問題なければ、DNAとRNAがほぼ同量摂取できる製品のほうがより望ましい。
※大豆レスチン・・・・
大豆レスチンにはコリンとイノシトールという成分が多量に含まれており、肝臓の保護作用、脂肪肝の防止、改善効果がある。
症状に応じて粉末か顆粒の大豆レスチンを一日10~30g摂取するとよい。
※食物繊維・オリゴ糖・乳酸菌・・・・
体に負担をかけずに高たんぱく食を実行するのにぜひ摂ったほうがよい。
なお卵を食べるとおならが臭くなるという人は、せっかくの含硫アミノ酸が悪玉腸内細菌に分解されて毒物に変わっている証拠だから、特にこれらが必要である。
※グルタチオン含有酵母エキス・・・・
特殊なパン酵母を原料に、グルタチオンというペプチドを豊富に含有するよう製造したエキス。肝機能の改善に役立つ。
素人判断は厳禁!必ず医師のアドバイス
すでに病気になってしまった人は、先の述べたように核酸を含むすべての必要な栄養素を“保険量”の上限レベルでまんべんなく摂取し。
場合によっては特定の栄養素をさらに増量すると、速やかな健康回復に大変役立つ。
また病気とはいえないまでもさまざまな症状で悩んでいる場合にも、ほぼ同様のことがいえる。
そこで病気や症状別に、参考となる最小限の情報を以上ににまとめた。ただし注意していただきたいのは、素人判断で自分の病気を診察して医者に行かずにこれらを実行したり、医者からもらった薬を勝手にやめたり減らさないことである。
できれば担当医の承諾を得たうえで実行するのが理想的であり、それが無理でも明らかに健康を損なっている状況の時は必ず医師の診断を受け、あわせてこれらを実行していただきたい。