核酸の正しい摂り方
厳密な方法で食品中の核酸塩基を分析し、核酸塩基のイワシの缶詰めを分析するとDNAとRNAは100グラム中に30~50ミリグラムしか入っていない。
これは、日本食品分析センターに依頼して分析した場合も同じ結果であった。
ただし低分子核酸も含めるとイワシの場合100グラム中に539ミリグラムの核酸が入っていることになる。
生鮮食品中の核酸含有量は四訂版日本食品成分表の水分の換算して乾燥食品の値から計算で求めた。
結果では、生の鮭白子は、最も核酸が多いとされてきたイワシの20倍も核酸を含んでいる。
生のビール酵母にも2,5倍含まれている。
水分を飛ばした鮭白子エキスは実にイワシの74倍の核酸を、ビール酵母エキス8倍の核酸を含んでいる。
1日の核酸必要量と
1日に核酸をどの程度摂ったらよいのか、適当なデーターはないが、われわれの臨床体験では、1日0.4gから3gの鮭白子エキスやビール酵母(核酸の量としては、その約半分)の補給で著しく効果が現われた。
日常、動植物や魚介類に含まれている核酸を摂取しているわけだが、それだけでは少なすぎる。
かといって、老化防止に必要な量の核酸を通常の食事からだけで摂ろうとすると、よほどの工夫が必要になる。
食べ過ぎて太ったり、コレステロールを摂り過ぎすぎたり、かえって生活習慣病の原因になる。
核酸含量が圧倒的に高い鮭白子エキスやビール酵母エキスなら、少量で必要とする核酸を十分に補給することができる。
核酸の必要量は年齢、体の健康状態、とくに肝臓の状態、食生活などによって異なる。
日常高核酸食を摂っている人は若い人は毎日1gの核酸を、低核酸食の人や高齢者は2gの核酸をひとつの目安として栄養補給することをお勧めする。
もちろん病態により増やす必要がある。
ガンやボケなどの重大な生活習慣病の場合は、5から8gの摂取をすすめることがある。
1日当たりの核酸必要量は体重50kgでおよそ2g程度ではないかと経験的に考えられる。
体重10kgの子供は五分の一の400mgという具合に体重換算で必要量を算出することができる。
DNAの合成(A、T、G、Ⅽの4塩基からなる)も、RNAの合成(A、U、G、Ⅽの4塩基からなる)もたった4種の塩基を原料にしており、そのバランスが健康にとって大切であることはすでに述べたとおりだが、鮭白子エキス、ビール酵母エキスともに表4-1からわかるように、核酸スコア―の高い(バランスよく核酸塩基を含んでいる)理想的食品である。
一方、イワシ、カツオ節、サバ、チリメンジャコ、たまねぎ、卵、しいたけ、A、G、Ⅽ、UまたはTの一部が極めて小さく(表4-1)核酸スコア―の低い食品である。
以上から、鮭白子エキス、ビール酵母エキスは
①高核酸スコア―
②高い核酸分量(豊富)の優れた理想的食品ということができる。