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健康な身体をつくるための核酸: 核酸は遺伝子の本体
約40億年前、地球上の生命が誕生して以来、その生命の進化の歴史は私たちの細胞の遺伝子に刻まれています。
たとえば、体格や顔つき、さまざまな才能も親から子へ、子から孫へとこの遺伝子によって伝わってきました。
この遺伝子は、生体を維持し、遺伝を支配する「核酸」によってつかさどられています。
では、この核酸とはなんなのでしょう。
私たちの身体は、約60兆個の細胞で成り立っています。その細胞が休みなく活動し、その一つ一つは平均して200日のサイクルで生まれ変わっています。
細胞が分裂する時には、まず中心となる核という器官が二つに分かれます。そしてこの核内の物質は酸性を示すことから「核酸」と呼ばれています。
そして 「核酸」にはDNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)の二つの物質が存在していることが明らかになっています。
DNAとRNAからできている「核酸」は遺伝子の本体ということなのです。
●身体を作る設計図(DNA)と大工さん(RNA)
DNAは、私たちの筋肉や臓器などを作るタンパク質や食べ物をエネルギーに変えるために、化学反応を起こさせる酵素・補助酵素などの設計図の役割を果たしている物質です。
一方、RNAは、設計図であるDNAに書き込まれた情報を読み取って、その設計図に従ってアミノ酸を集め、約10万種類といわれるタンパク質を合成します。
これを家を建てる場合を例に説明すれば、次のようになります。家を建てるには、まずどんな家を建てるかの設計図が必要です。 その設計図がDNAなのです。そして設計図をもとに家をつくるのが大工さん。
この大工さんの役割を果たしているのがRNAなのです。これが(セントラルドグマ)といわれる生命の基本的な仕組みで、20世紀最大の発見の一つだといわれています。生命の源が核酸なのです。
●大切なのは材料“コラーゲン・ムコ多糖類”と道具“ビタミン・ミネラル”
では、素晴しい設計図と腕のよい大工さんがいれば、家が建つのでしょうか。 足りないものがたくさんあります。 それは材料です。
さまざまな材木、クギ、壁土、瓦、鉄筋やコンクリート、窓ガラスなどなどが必要です。電気の配線、ガス管、水道管もなくてはなりません。
家を作るときの材料に匹敵するのが、私たちの身体ではコラーゲンなどのタンパク質やコンドロイチン、ヒアルロン酸などのムコ多糖類です。
コラーゲンとは、私たちの身体の中にあって、細胞と細胞の隙間を埋めている繊維状のタンパク質。いわば土台となっている材木や鉄筋の役割を果たしているものです。
そしてコンドロイチン、ヒアルロン酸はムコ多糖類とも呼ばれ、繊維状のコラーゲンの隙間にあって、身体にとってもっとも大切な水分をたっぷりと含み、土台を補強しています。
これで設計図、大工さん、材料が揃いました。しかし、これだけではまだ家を建てるのに不足しているものがあります。
そう、道具です。のこぎり、かんな、金槌、鉄筋 コンクリートの建物なら、溶接機、ミキサー車、クレーンなど、これらの道具が揃ってはじめて立派な家や建物を作ることができるのです。
立派な身体を作るための道具、のこぎりやかんななどの役割を果たしているのが各種ビタミン、カルシウムなどのミネラルです。
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