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現代人に足りない栄養素、核酸
●身体を錆びさせる活性酸素の恐怖
ガン、高血圧、肥満、動脈硬化、糖尿病、アレルギー、膠原病、腎疾患など 治すことが難しい多くの現代病、その発症のきっかけは、活性酸素(フリーラジカル)によって遺伝子が傷つくこと、酸化されることです。
活性酸素は、体内に進入した細菌など病原性生物を免疫細胞が排除するときに使われるなど、私たちにとって必要な役割を果たしている一方で、過剰に発生すると、逆に自分自身の細胞や遺伝子を傷つけてしまいます。
ですから私たちの身体には、この活性酸素を消去する仕組みがあります。
しかし活性酸素は、しんたいのどこかに炎症があるとき、紫外線を浴びたとき、テレビ、ワープロ、パソコン、電子レンジ、携帯電話などからの電磁波を受けたとき、食品添加物を食べたとき、排気ガスを吸ったとき、激しい運動をしたとき、ストレスを受けたときなど、さまざまな理由で過剰に発生しています。
そしてその量があまりに多いので、活性酸素の害から身体を守りきれない状況にあります。それが病気や老化の大きな原因の一つとなっているのです。
●新陳代謝と遺伝子修復に欠かせない核酸
発生した活性酸素の害から身体を守る仕組みには、次のようなものがあります。
- 活性酸素の生成を抑制するもの<予防的な抗酸化機構=グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼなどの酵素類
- 生成した活性酸素を消去するもの<捕捉的な抗酸化=SOD(スーパーオキシドディスムターゼビタミンC、ビタミンE,核酸など
- 活性酸素によって傷つけられた遺伝子や脂質、タンパク質などを修復・再生するもの核酸など
私たちは、この3段階の防御手段で身体をまもっているのです。
SODなどの酵素やビタミンなどで活性酸素は生成をおさえられたり、 消去されたりしていますが、それ以上に過剰な活性酸素が発生します。
完璧に遺伝子を守りきれるわけではないのです。そこである程度以上に傷ついた細胞は死に、再び新しい細胞が作りだされます。
また修復可能な遺伝子は、修復されます。この新陳代謝と遺伝子修復に必要なのが核酸です。
核酸は、新陳代謝を活発にし、遺伝子を修復することで病気や老化を防いでいるのです。
●サルベージ合成とデノボ合成で作られる核酸
核酸は、体内で2つの方法によって作られています。
一つはアミノ酸などを原料に肝臓でおこなわれるデノボ合成です。もう一つは食べ物からの核酸を利用するサルベージ合成です。
このデノボ合成とサルベージ合成で作られる核酸の総量は、一定に保たれています。食べ物からの核酸補給の量が少ないとデノボ合成が増え、多く摂ればデノボ合成は減るのです。
私たちは年齢とともに肝機能が衰えため、デノボ合成の力を衰えます。その分、食べ物から核酸を補給しないと、体内で慢性的に核酸が不足することになります。そうなると新陳代謝や遺伝子の修復に支障をきたすことになります。
核酸は新陳代謝を活発にさせるわけですから、核酸を補給するとガン細胞も活発に増殖し、ガンを進行させてしまうのではないかと思う人も多いでしょう。しかし、それは懸念です。
デノボ合成で作られる核酸とサルベージ合成で作られる核酸とでは、利用のされ方に違いがあり、ガン細胞はデノボ合成で作られた核酸を主に利用して、増殖していると考えられます。高核酸食はサルベージ合成を増やし、デノボ合成を減らすため、ガンが増殖するスピードは鈍るのです。
●食品から核酸を摂る…ズバ抜けて含有量の多いサケの白子
つまり、核酸は食品から摂ることが大切なのです。少しでも多くの核酸を含んだ食品を積極的に食べる必要があるのです。それでは、どんな食品に核酸が含まれているのでしょうか。
核酸は、細胞の中に存在しているので肉、魚、野菜 穀物など細胞を含む食品なら何を食べても摂ることができます。しかし、それぞれの食品によって核酸の量は大きく異なります。
タンパク質の少ない食品、 精製食品などには、ごくわずかしか含まれていません。白砂糖や食用油には、 ほとんど含まれていないのです。野菜や果物などビタミンの宝庫といわれる食品も、核酸に関しては以外と少ない含有量です。
それでは高タンパク質食品には核酸の含有量が多いのかというと、これも必ずしもそうではありません。 たとえば高タンパク質食品の代表である卵は、100g中86mgしか含まれていません。牛乳も細胞を含んでいないので、ほとんどゼロなのです。
一般的な食品で核酸を含んでいるものを挙げてみます。イリコ、チリメンジャコ、 牛肉、豚肉、鶏肉、マグロ、イワシ,カレイ、乾燥ノリ、カツオ節、ハマグリ、牡蠣、大豆などに比較的多く含まれています。また、ずば抜けて多いのが「サケの白子」、次イで「フグの白子」、RNAを多く含むものとして「ビール酵母」が挙げられます。
●効率的に核酸を摂取できる健康食品
このような食品を積極的に食べることが重要です。しかし、これらの食品を大量に食べればいいというわけではありません。
核酸を食べる場合には、塩基のバランスが重要になります。塩基とは核酸の成分で、4種類の塩基の組み合わせが遺伝情報、「設計図」になるのです。
特定の塩基だけが多い食品を食べ続けると、逆に身体に負担をかけてしまう危険性があります。たとえば、イノシン酸やグアニル酸といった核酸系化学調味料を原料とするものもあります。
イノシン酸やグアニル酸は化学的に大量生産できますから格安です。にもかかわらず、原料を「サケ白子」とか「ビール酵母」などと偽って高い値段でうりつけるから、これは詐欺商品といえましょう。
この点からすると、サケの白子やフグの白子は理想的です。しかし、日常的にこれらの食品を家庭で食べることは、まずあまりありません。
そこで最近は、核酸成分を多く含んだ食品を原料にした健康食品がいろいろ出ていますので、健康食品を利用するのも効果的です。その時には、その核酸補助食品が何から作られているかが重要です。
サケの白子を原料にしたもの、特に最近は、これまでタブレットなどでしか不可能だったプロタミンなどを同時に吸収できるように水溶性にしたものなどがあり、飲みやすく、吸収もいいといえます。