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抗老化Keyword:4 ミトコンドリア
細胞内のエネルギー工場で免疫システムのスイッチ役
ミトコンドリアは、細胞内にあるエネルギーのもととなるATPを合成する器官で、赤血球などを除く全身の細胞にある。
ひとつの細胞内に数百~数千個、エネルギーをたくさん必要とする細胞ほど多く存在するという。
ミトコンドリアによるエネルギー産生は、体を動かしたり、神経や臓器を正常に機能させるのに不可欠だが、実は免疫機能においてもミトコンドリアが非常に重要な役割を担っている。
「たとえば、ウイルスが細胞内に侵入したときに、ウイルスの遺伝情報であるRNAをキャッチして、免疫細胞を始動させるのはミトコンドリアの役割」いわば免疫システムのスイッチ役。
また、免疫細胞が働きやすいように体温を維持したり、ウイルスに侵された細胞をアポトーシス(細胞死)させ、死んだ細胞からウイルスが散らないよう、マクロファージなどの免疫細胞にきれいに片付けさせるのもミトコンドリアの役割だ。
「ミトコンドリアは、エネルギーや熱を作るときに活性酸素を出すが、この活性酸素がないと、マクロファジーは感染細胞を片つけることができない。
炎症を起こして全身に感染を知らせたり、免疫細胞の分化や抗体の産生にもミトコンドリアが元気でいることがとても重要。
ミトコンドリアの主な役割
- エネルギー産生
ミトコンドリアは、糖質’(グルコース)や脂質を、酸素を使って分解し、エネルギーの基となるATPを作ったり、熱を産出したりする。 - 自然免疫・炎症の制御
感染時に免疫システムを始動したり、抗体を作る細胞の分化や、炎症誘発物質の放出にミトコンドリアは不可欠です。 - 活性酸素の放出
ミトコンドリアが作る活性酸素は、機能不全に陥った細胞の除去などに不可欠だが、過剰に作りすぎないことも、いいミトコンドリアの条件
では、元気なミトコンドリアの条件とは?
まず、数が多いこと。
そして、それぞれが活発についたり離れたりできること、免疫スイッチをONにすることができない」
機能が低下したミトコンドリアは、オートファジーでリサイクルされて新たなミトコンドリアが作られるという。
また、サーチュイン遺伝子もミトコンドリアの活性化する上で重要な役割を担っているようだ。
「ミトコンドリアを元気にするには、ビタミンIやビタミン3(NMN)、コエンザイムQ10などの補酵素、5-アミノレブリン酸といった成分の補給も重要。
40歳をすぎるころからミトコンドリアのエネルギー産生力が大きく低下するので、まずは十分な栄養補給を、また、高齢者でも運動すればミトコンドリアが増えることが確認されているので、適度な運動を習慣に」。
ミトコンドリア 増やす増殖や活性化には
①核酸 ミトコンドリアDNAを修復
②各種ビタミン&ミネラル