核酸Q&A

食事以外に補助食品で栄養を補給するべきか?

1970年代、米国で始まったKYB運動は、実は「ビタミン・ミネラルは補助食品として摂る必要があるのか」といった長年のホットな論争の中から生まれた。「バランスの取れた食品を三度三度規則正しく食べるだけでよい」とする考えと、「それだけでは不十分で、食事のほかに補助食品を摂ってビタミン・ミネラルを補強する必要がる」といった考えの間で今日なお論争が続いている。

「昔から食生活と適度な運動で健康に長生きできたのだから、何であえてそんなものを飲む必要があるのか。それが証拠に、日本古来の伝統食と優れた医療で日本は世界の最長寿国になったではないか」というのが、ビタミン否定論者の代表的意見である。しかし、本当にそういった考え方は正しいのであろうか。

こういったことを議論する時には、以下の三つのことを考える必要がある。

ひとつは、日本古来の伝統食が今なお引き継がれているのかどうかということである。残念ながら子供たちの食生活の訪米化は急ピッチで進んでいる。

そのため日本の子供たちのほうが米国の子供たち以上に老化速度が速い。健康的な日本食が無視され、食生活の欧米化が進んでいる子供たちには、残念ながら補助食品の補強が必要不可欠である。

第二の観点は、日本古来の伝統食が今なお引き継がれていれば補助食品を摂る必要はないといっていいのかということである。1993年8月、名古屋で開かれた「日本人間ドック学会」での臨床予防医学委員会の報告を見ると、1992年に日本で人間ドックを受けた167万人のうち約8割が成人病に罹患(リカン)しているか、あるいはその予備軍であったという。

肝機能、高中性脂肪、高コレステロール、血圧、血糖値、肥満の6は項目を調べた結果だが、肝機能に問題がある人は全体の21%で1984年の2倍、肥満が全体の15%、他は約10%であった。受診者の大半はサラリーマンで、食生活の乱れ、不規則な生活、ストレス、疲れなどが原因である。

日本の代表的サラリーマンである商社マンの平均寿命は60歳というから、日本男性の平均寿命より16歳も若い。「過労死」なる言葉も生まれるくらいサラリーマンは疲弊しているのだ。

忙しさから来るストレスは、活性酸素(悪玉酸素)を大量に体内に発生させる。実は、それが彼らの命を短くする最大の理由である。そういった日本のサラリーマンに食生活の改善だけを指導しても大した効果は期待できない。

生活スタイルそのものをゆとりあるものに変える必要がある。

しかし、それが現実的にはなかなか難しい。そこで登場するのが、やはりビタミン・ミネラルなどの栄養素を錠剤などの形で補給する方法である。

通常の食事だけでは残念ながら、この悪玉酸素の害からは逃れることができない。ビタミン・ミネラル・核酸などの栄養補給が、今まで見てきたように悪玉酸素の害から逃れる唯一の自分でできる方法である。

すでに述べたように、栽培方法の問題から来る食品中の栄養素の低下・微量栄養素の欠乏、化学調味料・食品添加物の氾濫といったことを考えるなら、特別に忙しい商社マンのみならず、すべての人が補助食品による栄養補給を必要としているといっても過言ではない。

また、最近の科学の進歩は成人病の予防、ガンの予防、老化防止のためには

通常の食生活から得られる数十倍のビタミン・ミネラルを摂る必要があることを教えている。それはどの量を食べるためには補助食品以外に方法はないのはいうまでもない。

第三の観点は、成人病やガンを病院で治すことができるのかということだ。こういった病気は遺伝子DNAの損傷が大きな原因であり、早期発見あるいは診断が困難なくらいに病症が小さい時に治さないと根治は不可能だ。

いくら、医療が進歩しているといっても診断できないくらい小さい病症を発見することは困難である。やはり、自分で病気の予知・予防を行う他はない。素人の私たちがそんなことができるわけがない。

世界の研究成果を信じ、自分で病気にならないようにビタミン・ミネラルを・核酸などを毎日意識的にたべることが最大の防御ということになる。

話を整理すると、

①食生活をベストのものに改善する必要があるのはいうまでもないが、それだけでは活性酸素の害から体を守ることはできない。

②活性酸素が原因で病気になってから病院にいっても根治は不可能。

③病気になる前に病院に行っても病症もみつからず「何しに来たのですか」と追い返されるのが関の山―といったことになる。

そういった現状を考えると、自分の体は自分の力で守るしか方法がない。

KYB(know  your body!)運動はまさにそういった状況のなかで米国で生まれた。今では運動は非常に発展し、米国ではビタミン・ミネラルを・核酸食などの栄養素がスーパーマーケットに並ぶほどになっている。

KYB運動が米国で発展したその他の理由として、「医師は患者を糧に生活をしているのであって慈善事業を行っているのではない。したがって利益追求を目的に多量の薬物や費用のかかる治療を行ないたがる傾向にある」といった医師不信がある。

日本でも少なからず同じような傾向がる。実際「患者の顔が金に見える、患者は金がなる木」といったことを平気で口にする医師もいる。病院に行ったことがある人は誰でも、長く待たされたにもかかわらずほんの数分しか先生に診てもらえなかったという経験をもっているだろう。

こういった傾向は欧州でも同じである。15年くらい前から日本や欧州にもKYB運動が始まり、その後広まる傾向にあるのは、やはり「医師不信」と「自分の体は自分で・・・」といった意識による。

私たちが、KYBを一歩進めてKYGを提唱する理由は、いわゆる「医師不信」とは何らの関係もない。それは病気や老化が遺伝子レベルで解明され遺伝子レベルでの治療さえ行われつつある現在、そういったレベルで物事を考える時期に来ているのだとの認識による。

遺伝子を個体レベルでKNOW(知る)することは、この先、相当の研究時間を要するであろうが、遺伝子をKEEP(守る)する方法は少しずつわかりつつある。KYGとは、遺伝子は個体(人間)によって異なること、そのため栄養必要量は個体(人間)によって異なるのだということをKNOW(知る)し、自分の遺伝子を健全にKEEPすることを目的にしている。

KYGをキーワードに、核酸食を中心とする栄養補助食品の摂取によって、一人でも多くの読者が「美しく・若々しく・健康に」長生きすることを願ってやまない。

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