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食品の核酸原料はどういうものか?
前項で述べたように、普通の食事から充分量の核酸を摂取しょうとすると意識的な努力を要するが、核酸補給食品を使用すれば極めて手軽に核酸が摂取できる。現在、我が国で現実に使用できる高分子核酸の食品用原料は次の三種類しかない。
①サケ白子エキス・・・・
新鮮なサケ白子(精巣)から、水分と水溶性成分と脂質を除去して乾燥粉末にしたもの。高分子DNAを30~40%前後、プロタミンという精子たんぱくを50から60%含有しているので両方の複合的な効果が期待できる。ごくわずか魚臭と特有の味があるが、脂質をほとんど完全に除いているので、長期保存しても変質しない。別名ヌクレオプロテインとかDNA核たんぱく末とも呼ばれる。
②サケ白子DNA・・・・
新鮮なサケ白子中の高分子DNAを、含有量90%くらいに濃縮した粉末。プロタミンを含有していないのでその分の複合効果は期待できないが、無味無臭で水に溶けるのでドリンク等に使用される。精製過程でナトリウムを含有するので、DNAナトリウムとも呼ばれる。
③ビール酵母エキス(RNA)・・・・
ビール酵母には高分子RNAが1~5%含まれているが、これをRNA含有量50%以上になるように精製濃縮したもので、残りはペプチドやビタミン・ミネラルなどの有用成分。酵母エキスには用途に応じてさまざまな種類があるが、少量でRNA核酸が補給できるエキスは一種類しかなく、それ以外の酵母エキスを使用してもRNAの補給効果はほとんど期待できないので注意が必要。
サケ白子は、核酸の含有量、塩基のバランス、高分子核酸と低分子核酸成分の比率などすべての面で最高の素材といってよい。
しかし、生のサケ白子は、
一般に入手できない ●腐りやすく保存がきかない ●かなり多くの不飽和脂肪酸を含み、カロリーが高いだけでなく、古くなって酸化されるとかえって体に有害になる。等の欠点を持っている。そこでこうした欠点を除き、
一年中誰でも手軽に高品質の核酸を栄養素として摂取できるように開発されたのが、
①のサケ白子エキスと
②のサケ白子DNAの二品の原料というわけである。とこNAの含有量が少ない。DNAの補給だけでも、本書の隋所で紹介しているようにさまざまな驚異的な効果が得られるが、RNAにはDNAにない特別の有用性がある。そこで開発されたのが、
③のビール酵母エキスRNAである。ビール酵母そのものは比較的安値であるが、いかんせん高分子RNAを1~5%しか含んでいない。
これをRNA含有量50%以上の粉末にするわけだが、工程中のロスを含めると50kg以上の乾燥ビール酵母からやっと1kgのビール酵母エキスしかできない。しかもこの抽出工程は極めて複雑でコストがかかる。
そのため現時点では、ビール酵母はかなり高価な原料である。(要注意トラル酵母)