核酸で記憶力がよくなるのか?
脳は人間や動物の臓器の中で最も豊富にRNAを含む器官である。
そして記憶のメカニズムにはRNAが深く関与している。1960年代に、記憶はRNA分子の変化として貯蔵されるという“記憶のRNA学説”が登場したが、その後否定されている。
しかし別の研究で、脳内のRNAが不足すると記憶が正常に行われなくなることが確かめられた。
この実験は、ネズミに脳内でのRNAの合成を阻害する薬剤を与えたところ、一見正常に行動できるのだが、その時の学習内容を五時間後には忘れていたというものである。
同じ薬剤と同時に核酸成分であるアデノシンというヌクレオチドを与えられたネズミは、記憶の障害がなかった。
記憶には短期間と長期期間がり、長期記憶のほうに移行しなかった情報はすぐ消えてしまう。脳内でRNAが不足すると短期記憶から長期記憶への移行、つまり記憶の保持ができなくなってしまうのである。
またRNAは記憶の取り出し、つまり、“思い出す”という作業にも深く関与しているらしい。さらに、アデノシンには脳内の血流を増加させる作用もある。
私たちの経験では、「最近、記憶力が衰えてきた」という人にビール酵母とビタミンⅭを当時に与えると、かなりの確率で記憶力が改善される。
また子供にビール酵母エキスRNAとビタミンⅭ、B群等を含む補助食品を与えたところ「集中力、記憶力が増し、学校の成績がよくなりました」という声が多い。