どのようにそしてなぜ私たちは老化するのですか?--老化と核酸3

老化現象(ゾンビ細胞)

どのようにそしてなぜ私たちは老化するのですか?--老化と核酸3

目次

3化学反応におく老化学説

老化は生体内の化学反応によるとの考えがある。

老化に伴って皮膚は弾力性を失って、しわが増え、血管が硬化する。

このような変化に細胞間物質である結合組織のコラーゲンと弾力線維の主成分であるエラスチンが関与している。

結合組織とは

細胞と細胞の間にあって細胞同士をつなぎあう大切な役割をもっています。

伝統的な分類で、人間の身体は 4 つの組織に分類されます。上皮組織・筋組織・神経組織、 そして結合組織です。

詳細に定義されている分類ではないのですが、他の 3 つの組織以外 を全て結合組織といいます。

血管壁や皮膚はコラーゲン線維からできているが、このタンパク質が生合成された当初は柔らかいが年と共に次第に硬くなってくる。

これはコラーゲン線維を構成するトポコラーゲンと呼ばれる細長い棒状の分子が互いに結合(架橋)するためコラーゲンががんじがらめの構造になってしまうからである。

結合組織内にこのようなコラーゲンが増えると相対的に弾力線維のエラスチンの減少を生じ、組織は硬化する。

また、がんじがらめのコラーゲンの蓄積は栄養素の運搬や代謝を阻害し、ついには細胞の死を招く。

これが、老化の架橋(クロスリンク)説である。皮膚にしわができ、血管が硬化し、肺が弾性を失って呼吸機能が衰えるのはこのためである。生体高分子は架橋ができやすい。

コラーゲン以外のタンパク質や核酸DNAも架橋する。

この場合もやはり、がんじがらめの構造になり、核酸が架橋すると複製ができなくなる。すなわち増殖(細胞分裂)ができなくなる。

DNAが損傷を受けると異常タンパク質が合成されることをすでに述べたが損傷の場合も架橋の場合も予備遺伝子をたくさん持っていれば、老化をおくらせるこが可能になる。

役に立たないDNAに変わって予備遺伝子が細胞の活動を正常化するからである。タンパク質は核酸DNAとRNAの働きで作られる。

やはり、予備遺伝子が多いほうが異常(架橋)タンパク質に変わる正常タンパク質をつりやすい。高核酸食が核酸やタンパク質の架橋に伴う老化の阻止にも有効であることがわかる。

人間は酸素によって生き,酸素によって死ぬ

今までの話の中心は、遺伝子が傷ついても遺伝子が十分にあれば老化を遅らせることができるということであった。

しかし、もし遺伝子やタンパク質を傷つけ架橋させる原因を取り除くことができるならば、それに越したことはない。

それでは、どうしたらその原因を取り除くことができるのであろうか?それを探るためには、何が真の原因物質かを探らなければならない。

どうもそれは酸素であるらしい。酸素だけではないが酸素が最大の原因物質のようである。

人間は空気中の酸素を吸っていきている。もし、地球上に酸素がなければ、人間は生きることはできない。

酸素を吸って生きている生物(好気性生物)は、すべて同じである。好気性生物は食物中の栄養分を酸素によって燃やし生きるためのエネルギーを作り出している。

この反応にはたくさんの酸素が関与しているが、酸素は最終的には水になる。生物を酸素の側から見てみると、生きるということは「酸素が水に代謝される」ということになる。

この還元反応(酸素が水になる)の過程で、酸素の2%程度はスーパーオキサイド、過酸化水素、ヒドロキシルラジカルといった化合物になる。

これらは酸素に比べ非常に活性が強いため活性酸素と呼ばれている。特に、ヒドロキシルラジカルは非常に反応性が高い。

活性酸素は身体の中で重要な役割を果たしており、代謝過程で活性酸素を必要とする反応は少なくない。

白血球が身体に侵入した細菌を殺すのも活性酸素の働きである。

しかし、活性酸素は細菌を殺すだけでなくその周辺の細胞も殺す。けがをして炎症がおきるのは、白血球が作った活性酸素による。

活性酸素は体が必要とする代謝の場所で使われている場合は問題はないが、そうでない場合は生体成分と化学反応を引き起こす。

脂質が最も活性酸素の攻撃にさらされやすく過酸化脂質になる。

この反応は酸化反応であるが、天ぷら油を使っているうちに黒くなるのも空気中の酸素による脂質の過酸化と同じ現象である。

何回も使うと真っ黒くなるが、過酸化された油はケトンやアルデヒドになり体に害を及ぼすので使い過ぎないようにしなければならない。

活性酸素は生体高分子の核酸やタンパク質をも攻撃する。それが原因で、核酸やタンパク質に架橋ができたり損傷をうけたりする。

そのため、活性酸素は酸素毒と呼ばれる。制ガン剤のアドレアマイシンやブレオマイシンは活性酸素をつくることによってガン細胞をたたくものである。

ガン細胞のほうが正常細胞よりも活性酸素に対する防御機構が弱いために利用されているが、当然、正常細胞も障害を受ける。これが副作用である。

DNAの損傷はガンを引き起こす。制ガン剤は発ガン剤でもある。

老化すると、皮膚のしわが増え、シミも増える。紫外線はこれを加速する。紫外線の活性酸素がコラーゲンの架橋の原因になる。

「人間は酸素によって生き酸素によって死ぬ」とは、活性酸素がこのような様々な障害を起こすだけでなく老化の原因になっているからである。

たとえば、動脈硬化が進んだ血管には過酸化脂質が多い。

また、動物の寿命と体重当たりの酸素消費量には相関関係がある。これは、酸素消費量が多いほど活性酸素がたくさんでき、寿命が短くなることを示している。無理なスポーツはほどほどにしたほうがよい。

活性酸素防御機構

ガン細胞よりも正常細胞のほうが、活性酸素に対して強いことを述べた。

それではどのような防御機構をわれわれは持っているのであろうか?

その第一は生体内の還元機構(抗酸化機構)である。

活性酸素による反応は酸化反応であり、抗酸化物質がその反応を抑制する。

よく知られている生体の抗酸化物質は、ビタミンⅭ、ビタミンE、カロチノイド(ビタミンAの仲間)グルタチオン、セレニウム、野菜(フェノール)、尿酸、核酸及びその成分である。

Ⅽは水溶性でEは油溶性のため、Ⅽは生体内の水に溶けるところで、Eは細胞膜のような油に溶ける部分で働いていると考えられている。

しかし、実際は生体内でⅭとEは電子のやり取り(酸化還元反応)をしている。

Ⅽの代謝物質で水にも油にも溶けるものが判明しており、それが細胞膜で脂質過酸化を阻止し、Eとの間で電子のやり取りをしている可能性がある。

代謝物質が効いているがどうかは別として、これらのビタミンが生体内で活性酸素の害を抑制しているのは間違いない。

活性酸素の防御は、今までの機論で明らかなように発ガン抑制をも意味する。

ⅭやEが抗ガン作用があることはすでに知られており、カロチンやセレニウム、グルタチオンについても、抑制作用がある。

そのためか寿命についてみると、脳のビタミンⅭ濃度が高い動物ほど長寿、血液中のビタミンE濃度が高い哺乳動物ほど長寿血液中のカロチノイド量が多い哺乳動物ほど長寿との報告がある。

グルタチオンの場合も、これを与えたハツカねずみの寿命がのびたとの報告がある。

核酸プリン塩基の代謝産物である尿酸は、ビタミンⅭやEよりも還元力が強い。

人間をはじめとする霊長類は進化の過程でビタミンⅭの合成を止め、代わりに尿酸を体内にプールしたとの学説がある。

地球上で最高に進化した生物が「ビタミンⅭ合成を止めると共に尿酸の排出も止めた」ことには大きな意味があるに違いない。

生体の活性酸素防御機構の第二は酵素である。

過酸化水素はカタラーゼとグルタチオンペルキシダーゼによって、スーパーオキサイドデイスムターゼ(SOD)によって分解され効力を失う。寿命との関係で言えばSOD活性が高い動物ほど長寿が長い。

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老いなき世界の著者 1

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