アレルギーにはⅠ型からⅣ型まで4種類があるが、異物(抗原)が体内に入った時、数分以内に症状が出るⅠ型アレルギー(別名・即時型アレルギー)を一般にアレルギーという。
代表的は、ゼン息、アトピー性皮膚炎、花粉症、鼻アレルギーなどで、血液中には抗体IGE(免疫グロブリンE)が増えるのが特徴である。
抗体IGEが増えると、結果として化学伝達物質であるヒスタミンやロイコトリエンが放出され、アレルギー症状がでる。
母乳保育児と人工乳(粉ミルク)保育児を比べると、母乳保育児の抗体IGEが人工乳保育児のIGEよりも低いことがわかる。
人工乳保育児にアトピーなどの発症する割合が高いのはそのためである。
そこで、母乳と人工乳の成分が調べられた。結果は、母乳に含まれている核酸成分が人工乳にはほとんど含まれていなかった。
しかも、その違いがアレルギーの多寡(たか)に大きな影響を与えていたのである。
日本や世界の多くの乳業メーカーが人工乳に核酸成分を添加したが、その理由のひとつが、アレルギーの改善にあったのである。
日本では、雪印、明治、森永、アイクレオ社などの乳業メーカーが核酸入り粉ミルクを販売している。
表示を見ると、核酸関連物質入りとかヌクレオチド入りと書いているので、購入される方は確認してみてほしい。
異物(抗原)が生体内に侵入した時、IGEなどの抗体が産生するが、それを補助するのがヘルパーT細胞である。
ヘルパーT細胞にはⅠ型(Th1)とⅡ型(Th2)があり、このバランスがアレルギーに関係することが最近明らかになり、アレルギーの研究者の間では、このバランスに影響を与える物質に対する関心が急速に高まってきている。
バランスがⅡ型((Th2)に傾く(Ⅱ型が増える)とIgE(抗体)が増える(IgEが増えヒスタミンなどのアレルギーを引く起こす物質の分泌が増える)ため、アレルギーが悪化する。
逆にⅠ型(Th1)に傾くと改善する。すこし難しくなるが、その理由について考えてみよう。
Th1細胞とTh2細胞活性にはサイトカイン(生理活性物質)の分泌量が影響する。Th1細胞はインターフェロンγ(IFN-γ)インターロイキン2(IL2)の産生が増えると優位になり、さらにこれらの生理活性物質は相互に作用し合って、アレルギー反応を調節する。
例えば、Th1細胞が産生するIFN―γはTh2細胞活性を抑制し、Th2細胞が産生する。
IL-4はTh1細胞活性を抑制する。その結果、Th1細胞とTh2細胞のバランスが決まり、アレルギーになるかどうかが決まる。