驚異の食品・核酸
核酸とは何か・・・核酸DNAとRNAの役割
スイスの生化学者ミーシュルが、患者の包帯から膿を集め、白血球の中に含まれる高分子物質を細胞核の中から取り出したのは1869年のことである。
その後、鮭の白子、ビール酵母、仔牛の胸腺からも同様の物質が発見され、1889年にそれが細胞核内の酸性物質であることから核酸と名づけられた。
人間は約六十兆個の細胞から成り立っており、一個一個の細胞の中心には細胞核がある。
その細胞核の中に大量に存在し、生物生存のための遺伝現象を担うとともにタンパク質の合成を司令しているのがDNAである。
一方、RNAは主として細胞質の中に存在し、DNAの情報に基づいてアミノ酸からタンパク質を合成している。
すなわち、RNAは
- ①どんなタンパク質を作ったらよいかをDNAに教えてもらい、
- ②タンパク質の構成であるアミノ酸を集め、
- ③自らタンパク質の製造工場になって一人三役でタンパク質の合成を行っているわけである。
DNAは遺伝情報を担い、RNAはその情報に従ってその人に必要なタンパク質を合成する。といった関係である。