ひとつの例として老人性痴呆(ボケ)を取り上げてみよう。
脳は非常に脂質に富んでおり、そのため活性酸素によってダメージを受けやすい。
活性酸素によって脳神経がダメージを受けると神経細胞は減少し、それにともないリポフィスチンやメラニンの蓄積がおこる。
リポフスチンとは、細胞質内の不飽和脂肪酸の過酸化によりリソソーム内に形成される不溶性色素。リソソームによって細胞内消化された異物の残余物質であり、加齢性色素あるいは消耗性色素とも呼ばれる。ヘモジデリンと異なり鉄を含まない。重度の栄養不良あるいは老齢個体の肝細胞、心筋線維、神経細胞において出現する。
サルを使った研究ではリポフィスチンが蓄積すると記憶が減少し、行動が荒々しくなることが知られている。
核酸RNAは、記憶に関係した物質であり、体の中でも特に脳に多いことがわかっている。
何らかの理由でRNAが減少し、損傷の修復ができなくなると、損傷したRNAの間違った情報に基づいてリポフィスチンが合成、蓄積され、ボケが起きるという考え方だ。
ボケ・認知症の防止や記憶力・学習力の向上のためにはたくさんRNAを食べたほうがよさそうだ。
脳神経細胞のDNAは成人した後はさらに増殖することはなく減少する一方なので、ボケには効果がない。
ボケに関係するのはRNAだけなのだ。
ただ、ボケ・認知症には二種類ある。
- 異常たんぱく質の蓄積が原因でおこるアルツハイマー型の認知症
- もうひとつ、脳の血流が悪くなる脳血管性の認知症がある。
この場合は、DNAやRNAの成分であるアデノシン(ヌクレオシドのひとつ)が末梢血管を拡張し血流を良くするので脳血管性の認知症に効果的だ。
これが高核酸(DNA、RNA)食が脳血管性の認知症に効果がある理由である。
アデノシンを取り上げたついでにその効果を並べると、
- ①男性生殖器の勃起力アップ、
- ②腰痛・肩こりの改善、
- ③糖の分解を遅らせることによるダイエット効果などがある。
サケ白子中には遺伝子と結合して塩基性たんぱく質のプロタミン(ヒスチン)がある。
この結合したものを核たんぱくとかヌクレオプロテインといい、サケ白子エキスとして販売されている。
プロタミン(ヒストン)には脂肪の吸収を遅らせるダイエット効果があることが知られており、サケ白子エキスを食べれば糖も脂肪もゆっくり吸収されることになり、肥満防止ダイエットに効果的だ。