プラス15分の運動を光との付き合い方も重要
NIAが「ライフスパンを延ばす7つのメソット」の中で、健康寿命や最大寿命を延ばす方法の一つとして薦めているのが、運動だ。
「老化の制御に関わるサーチュインという酵素を活性化させるには、体の中でNADやNAMPT(ニコチンアミド・ホスホリボシルトランスフェラーゼ)という酵素を増やす必要があります」。
息が上がるくらいの有酸素運度か筋トレを12週間続けると、中高年でもNAMPTが増加する。
ウオーキングなどの運動を15分上乗せするごとに、すべての死因による死亡リストを4%下げられるという研究もある。
週92分1日15分ウオーキングなどの運動をしている人は、あまり動かない人に比べてすべての死因による死亡リスクが14%低かった。
エレベーターを使わず階段を使うなど、日常的によく動くようにすれば早死にするリスクを軽減できる。
さらに、40~87歳の中高年約400人を対象にした研究で、息が切れ会話できないくらいの早歩きと、ゆっくり歩きを30分ずつ相互に繰り返す「インターバル速歩」を平均52分、週2~5回6ヵ月続けると、「老化の主な要因」の一つであるエピジェネックな変化が改善し、高齢者に多い慢性炎症が減少することが確認された。
食生活と運動習慣の改善に加え、脳の老化を制御する方法として注目しているのが光との付き合い方だ。
「マウスやヒトに対する研究の結果、可視光の中の紫の光であるバイオレットライトを1日3時間浴びると、睡眠の質が上がってよく眠れるようになります。
さらに、老化によって進む認知機能の低下やうつ病を予防したりできる可能性があることがわかってきました」と強調する。
建物や車の窓ガラス、ほとんどメガネやコンタクトレンズは紫外線と一緒にバイオレットライトを遮断する。夏は熱中所症に注意しつつ、朝か昼間に、外でバイオレットライトを浴びながらウオーキング、ランニングなどの運動をすれば、体と脳の老化が制御できて一石二鳥だ。