あなたの体の中で核酸や低分子ヌクレオチド(NT)の消耗が活発に行われている。
その補給のためには、それに見合った量の核酸合成を盛んにしてやる必要がある。
肝臓だけでのデノボ合成ではとても必要とする核酸をまかなえたものではない。
特に、20歳を過ぎて肝機能が衰え、デノボ合成力が衰え始まると、核酸の産生はサルベージ合成(核酸食)に頼る以外に方法がなくなってくる。
核酸食の絶対的不足の中で、20歳を過ぎて一番初めに現れる外見的変化は肌の老化である。
肌の老化と核酸
肌の老化とは・・・・「肌の老化」状態を知るには、赤ちゃんの肌と比べてみるのが最もわかりやすい。
赤ちゃんの肌には潤いがあり、弾力性がある。シミ、シワなどは決して見当たらない。
しかし、このようにみずみずしい肌も、年ともに衰えてくる。ある日突然といったことではない、徐々にではあるが・・・。
肌の老化を防ぐには、まず皮膚の構造がどうなっているかを知る必要がある。
皮膚には表皮と真皮からなり厚さは2ミリあまりある。表皮はわずか0、2ミリしかなく一番外側に皮脂膜があり、その下にケラチン(角質)、そしてその下に基底層がある。
基底層でケラチンという繊維質の硬いタンパク質が合成され皮膚表面に出てきてケラチン層と入れ替わる。
本来、細胞分裂が活発な細胞である皮膚の老化の速度は、核酸食の摂り方に大きく依存する。
核酸(DNAとRNA)合成が遅いと、タンパク質ケラチンの合成も遅くなる。
皮膚が新しい細胞に生まれ変わるスピードが遅れる。
そのため、ケラチン層が薄くなる。簡単に皮膚がつかめるのは表皮が薄い証拠であり「シワ」「たるみ」の大きな原因である。
肌の表面に現われる変化
肌の表面に現われる変化にはいろいろある。
「潤いがなくなる」といった変化もそのひとつである。
この大きな原因は、肌の水分を保持する酸性ムコ多糖類(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、へパラン様物質)や荒れを防ぐ皮質の量が年齢とともに減っていくことにもある。
これはケラチン層や皮質膜の細胞機能の低下である。
細胞機能の低下の回復には核酸食が最も効果があるのはいうまでもない。
「皮膚の色」を決めるのはメラニン細胞は基底細胞の間に散在し、基底細胞にとりこまれている。
黒人も白人もメラニン色素の形成細胞の数は同じで、基底層に取り込まれるメラニン細胞の量が違うのである。
一方、老化に伴って皮膚が黒くなったり、斑点状に色素が沈着(老人性色素班、「シミ「」するのは、メラニン色素の産生の減少による。
老化の伴い、身体の一部が脱色(脱色班、白班症)するのはメラニン色素の産生の減少による。
老人性色素班も脱色班もメラニン色素産生細胞の活動の変化が原因であり、これも細胞の機能の衰えのひとつである。
表皮の下には真皮がある。この厚さは二~三ミリ位しかない。
もっとも、足の底や手のひら、絶えず外気にさらされている顔ではもう少し厚い。
真皮では繊維芽細胞により、結合組織のコラーゲンと弾力繊維のエラスチンが合成されている。
老化の化学反応説ですでに述べたように、活性酸素(酸素毒)によるコラーゲンの構造の変化は「肌の弾力性・ハリの低下」「シワ」の原因になる。
これを予防するためには「予備遺伝子」を増やすこと、すなわち、高核酸食が重要である。
紫外線はビタミンⅮの合成のためには必要であるが、生体で活性酸素ができる反応を促進する。
そのため、たえず外界に接触している皮膚は他の皮膚に比べて老化が速い。
東京大学理学部の加藤博士によると、紫外線の強い浜辺で四から五時間の日光浴をすると皮膚の細胞1個当たりのDNAに1000万個もの傷が生じるという。
強い紫外線=皮膚ガンの恐れあり、である。
知人で、息子さん(中学1年)をつれてグアムに行った人が「日焼けでひどい思いをした」と話していた。
息子さんほうが「グアムで日焼けするんだ」と意識的に太陽にさらしていたにもかかわらず何の問題を起きなかったが、それは、メラニン色素が父親に比べ多かったためである。
メラニン色素は紫外線の侵入を阻止する非常に重要な色素である。通常、この色素は2週間で垢となってはがれ落ちる。
しかし、過度の紫外線に当たると「シミ」や「ソバカス」となって沈着し、はがれることはない。
新陳代謝が遅い人ほどその割合が多い。
子供に比べ大人のほうが同じ紫外線を浴びても「シミ」「ソバカス」になりやすいにはそのためである。
これは、紫外線が原因の「シミ」「ソバカス」である。
一般に日本人はケラチン層にメラニン色素が多いため皮膚ガンは少ない。その分、白人に比べ強い紫外線には比較的強いが、紫外線が肌の老化の大きな原因になっていることを忘れてはならない。