病気の悩み
病歴家系図を作る
遺伝子栄養学とは、遺伝的体質から病気を予知し、食生活の改善でその病気を予知する栄養学のことである。
予知は病歴家系図、尿や血液の分析値を使って行なうことができる。
病歴家系図とは、家系図に親戚縁者の病歴を書き込んだものである。
本人、兄弟、父母、祖父母、親戚縁者がどんな病気になったかを、その年齢と病名を書き込んでほしい。子供がいる人は、子供についても同様に。
もし亡くなっている人がいれば死亡原因とその年齢も。
できれば病歴家系図をじっと眺めていると、自分がどんな病気になりやすい体質なのかが、おぼろながら見えてくると思う。そのほとんどすべての生活習慣病に遺伝子が関与している。ガンになりやすい家系、ボケやすい家系といったものがあることがわかる。
活性酸素の害を食い止める四つの方法
病歴家系がわかった後にすることは、かかる恐れがある病気を予防する栄養素の摂取法を家系図の欄に書き込むが、まずはすべての病気の予防に関わる基礎となる方法について述べることにしょう。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」との諺がある。己が遺伝的体質だとすると、敵は遺伝子を損傷させる活性酸素である。
活性酸素を解毒することができれば、病気を未然に防ぐことが可能である。活性酸素を発生させる原因はたくさんある。そういった環境を避けることが大切である。
ポイント
- たばこを吸わない
- 薬は必要最小限に抑える
- 気持ちをリラックスさせる
- さらし粉(塩素)消毒の強い水道水をそのまま飲まない
- 強い直射日光の下で長時間、肌をさらさない
- 自然食を中心にする
- 過激な運動は行わない―など、ちょっとした気の使い方で、活性酸素の害を避けることができる。
とはいっても完全に活性酸素を避けることはできない。
文明の発達に伴う環境の悪化(自動車・工場の排気ガス、食品添加物、オゾンホール等)が活性酸素発生の大きな原因になっているからである。
ポイント
核酸、ビタミンⅭやEなどのビタミン、銅、亜鉛、セレンなどのミネラルなどを多く含む抗酸化食品が活性酸素の害を少なくする食品である。
活性酸素発生は、胃腸内での異常発酵も原因になる。
異常発酵によって次のような毒物が発生して病気の原因になる。
- 硫酸水素・アンモンニア→肝機能障害
- ヒスタミン→アレルギー疾患
- インドール・フェノール→悪性腫瘍
- ニトロソアミン→ガン
こういった毒物の多くは、活性酸素を誘発する。
異常発酵が、病気や老化を促進するゆえんである。
ポイント
異常発酵を防ぐ栄養素は、核酸、食物繊維、オリゴ糖、ビフェズス菌(乳酸菌)などである。こういった成分の多い食品の摂取がである。
活性酸素は身体にとって必要不可欠なものであるため、必要量が身体の中で作られている。
食べ物を燃やしてエネルギーを獲得する時、けがをして細菌を殺す時、核酸成分の代謝の時などに作られる。
じつは害が発生するのは、こうした活性酸素が異常の産生した時や消化器系から身体の中に入り込んだ時である。
その時、“核酸“などの抗酸化物質の摂取が有効である。
傷ついた遺伝子を持った細胞がそのまま増殖して増えるのが病気だが、通常は異常細胞は自殺をしたり、免疫の力で除去される。
これが自然治癒力である。
しかしながら、健康な細胞の増殖に必要な核酸が不足していれば、そうはいかない。
ポイント
核酸は異常細胞を自殺させ(アポトーシスという)たり、免疫力を高めるが、少なくなると、異常細胞がそのまま増殖する。
異常細胞を免疫やアポトーシスの力で除去し、正常細胞にする。
核酸は強い抗酸化力を持ち、腸内善玉細菌のビフェズス菌を増やし、しかもアポトーシスや免疫力で活性酸素の害を防ぐ。
まさに、病気や老化を防ぐ基礎となる物質である。