アレルギー
<アレルギーと核酸>
ゼンソク、アトピー性皮膚炎、花粉症などに代表されるのがアレルギー疾患です。
これらに共通した特徴の一つに、血液中に1gE抗体が増えることが挙げられます。
私たちの体には、侵入してきた異物を攻撃して排除するとともに、これを攻撃する体制がとれるような抗体を作る免疫という機能が備わっています。
1gE抗体とは、もともと寄生虫から私たち守るためにある抗体でした。
回虫などの寄生虫が身近にいた時代には、寄生虫に悪さをさせないために1gE抗体が役立っていたのです。
しかし、寄生虫は今、私たちの周囲からくちくされ、ほとんど、姿を消してしまいました。
そのためは働く場所のなくなった1gE抗体は、寄生虫の代わりに、それまで見向きもしなかった花粉や埃、ダニなど本来害の少ないものに反応するようになったのです。
これがアレルギーを増やしている大きな原因の一つだと考えられています。免疫に対して、核酸が大きな影響を及ぼしていることが、マウスを使った実験でわかってきました。
1・2%の核酸食(サケの白子のDNAと酵母のRNAの混合食)を与えたマウスと、無核酸食を与えたマウスの血液中の1gE値を比較したところ、核酸食を与えたマウスの方が、1gE値低いことがわかったのです。
同時に核酸食は1gEの産生を抑えることもわかりました。
ちなみに母乳保育児とじんこうにゅう(粉ミルク)保育児を比べると、母乳保育児の1gEはじんこうにゅう保育児よりも低いこともわかっています。
じんこうにゅう保育児にアトピーなどのアレルギーを発症する割合が多いのは、1gE値が高いことが原因だと考えられます。
母乳とじんこうにゅうの成分を比較すると、母乳に含まれている核酸成分がじんこうにゅうにはほとんど含まれず、その違いがアレルギーの発生に影響していたといえるでしょう。
そこで、現在では多くの乳業メーカーがじんこうにゅうに核酸成分(ヌクレオチド)を配合しています。
1gE抗体は、免疫系細胞のBリンパ球によって産生され、それはTリンパ球によってコントロールされています。1gE抗体の産生を抑制するTH1と産生を促すTh2があり、そのバランスがTh2に傾くと1gE抗体が増えるのです。核酸はTH1を優位にするため、アレルギーが改善するのです。