老化現象(ゾンビ細胞) ガン

あなたの遺伝子はガンに狙われている--ガンを引き起こす遺伝子損傷2-4

目次

DNA損傷の共通項に活性酸素がある

DNAが、すなわち遺伝子全体が、DNA自身を複製することによって分裂し増殖するメカニズムのあらましと、DNAに生じる異常こそがガンをはじめとするさまざまな病気の引き金となることは、ここまででおよそは理解していただけたと思います。

さて、DNAの異常を引き起こす、つまりDNAに損傷を与える原因の一つは、幾種類かのウイルスでした。

これを逆に利用して、損傷を受けているDNA、あるいは何らかの欠落を持つDNAに、正しい遺伝情報をもつDNAを接触させることで、ガンほかの疾患を治療しょうという研究が行われています。それが遺伝子治療と呼ばれる最新医療技術です。

遺伝子治療は、ガンの予防や治療においては、まだまだ研究段階、あるいは動物実験の段階でしかありませんが、いずれは実用化されることになるだろうと期待されています。また他の病気についていえば、最近の報道でも気づかれた方があると思います。すでに実用化段階に入っている例もあります。

ところで、前にも述べたように、私たちDNAを損傷し、遺伝情報に異常をきたすものはウイルスばかりではありません。

比率でいえば、ウイルスよりもむしろタバコの煙・食品や環境中の発がん物質・放射線・紫外線などのほうが原因として大きな比重を持っています。

これらタバコの煙・発がん物質・放射線・紫外線などの背景には、一つの共通点があります。それは活性酸素という物質を発生させるという共通項です。

動物は、すべて酸素なしには生活できません。二酸化炭素を吸収して酸素を放出するとされる植物にしても、やはり生命活動の中では酸素を利用しています。一部の嫌気微生物を除いて、生物はすべて酸素なしには生きられないのです。

ここに皮肉があります。生体内にあって活性酸素は、酸素を利用している以上どうしても発生してしまうのです。その活性酸素がDNAを損傷してガンを引き起こす最大の原因となるとは、何という皮肉でしょう。

極端な表現をするなら、私たちがもにも酸素にたよらず生きられ、地球に酸素がないとしたら、活性酸素によってDNAが傷つけられる心配はなくなつということです。

酸素の消費量と寿命の密接な関係

次のような実験があります。

通常なら3年半は生きるはずの実験用のマウスを、酸素のみ、つまりは酸素100%の飼育環境に置くと、すべてが一週間内に死んでしまったそうです。私たちが通常呼吸している大気中の酸素の比率は20%程度しかありません。したがって私たち人間も、酸素100%の環境に置かれたとしたら、寿命は極端なまでに短くなってしまうはずです。

動物では、酸素の消費量と寿命とが密接に関係していることが明らかになっています。体重当たりの酸素消費量が大きな動物ほど寿命が短いのです。体重あたりの酸素消費量が大きい動物とは、一般に体の小さな、しかもチョコチョコと活発に動く動物です、逆に単位体重あたりの酸素消費量が小さ動物とは、比較的大型で動きもおだやかな動物です。

ネズミは前者です。哺乳類のなかでもっとも寿命が短い部類です。ゾウは後者です。こちらは哺乳類のなかでももっとも寿命が長いグループに属します。この寿命の長短は、単位体重あたりの酸素消費量に比例しているといいます。

かつて有人宇宙船の中は酸素100%で満たされていた時代がありました。アメリカのアポロ宇宙船では、その酸素100%が原因となって悲惨な火災事故が発生したこともありました。スキュバーダイビングで用いられているボンベにも、酸素だけが入れられていた時代もあったようです。現代の有人宇宙船では、もっと地球上の大気に近い、酸素の比率の低い“空気”が使われています。スキュバーダイビングのボンベも、いつからか”酸素ボンベ“とは呼ばれなくなりました。

そうなったのは、酸素が誘因となる火災事故を避けるためだけではありません。「酸素だけを吸収しているのは体に良くない」ということが、広く知られるようになったからです。

人間の場合、酸素が高濃度の空気の中では、過呼吸、せき、胸痛、呼吸困難からのマヒや意識障害などを生じてしまいます。未熟児網膜症という疾患がありますが、これは未熟児の生命を救う必要から保育器中の酸素濃度を上げる、酸素の過剰投与が招く疾患です。

活性酸素はなぜ“悪玉”なのか?

それでも、私たちが通常呼吸している酸素は、安定した酸素です。酸素分子に本来あるべき電子がそろっている、周囲に迷惑をかけない酸素です。とこらが、

体の組織のなかに取り込まれた酸素分子は、さまざまな原因から電子を失うなど不安定な状態になる危険があります。電子を失った酸素分子や、より以上に電子を欲しがる酸素化合物は他の物質から電子を奪いたがる、生体組織分子を活発に酸化させてしまう酸素=活性酸素に変化します。

これまでに「活性酸素」として一区切りにした物質は、実は複数の物質です。私たちの体の中で発生する活性酸素には、次のような物質があります。

スーパーオキサイド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素。活性酸素とは、基本的にこれらを一括して呼ぶ言葉です。

さて、活性酸素によって、たとえば脂質(不飽和脂肪酸)が酸化されると、有害物質である過酸化脂質となります。この過酸化脂質は動脈硬化などの原因とされ、老化を促すとされていますが、同時にDNAにも損傷を与える物質です。

活性酸素を称してフリーラジカルと呼ぶことがありますが、正確にいうなら、フリーラジカルとは不安定な反応性の高い化学物質のことで、過酸化脂質もそのひとつです。

もっとも活性酸素によって酸化されられた結果、体の組織に悪影響を与えるという意味で、フリーラジカルを活性酸素と混同しても大きな不都合はないでしょう。フリーラジカルである過酸化脂質は、活性酸素グループと同様に、他の脂質を次々に酸化させて、さらなる悪さを重ねるのです。

メモ

活性酸素を含むフリーラジカルは細胞膜を損傷するし、細胞のタンパク質も、また酵素も損傷し、動脈硬化はもちろんのこと、いわゆる成人病一般の温床を作り上げる悪玉として、私たちの体の中で常に、活動を続けているのです。

 

活性酸素発生のメカニズム

すでにお気づきのように、

注意

ガンの危険を遠ざけるためにもまた治療の可能性をできるだけ広げるためにもさらには成人病や,その他の疾患を招かないためにも老化を遅らせるためにも体の中での活性酸素の過剰な発生を防ぐことが大切ですまた活性酸素によって損傷を受けた組織細胞などを、できるだけ速やかに修復することを考えなければなりません。

核酸食を積極的に進めることは、その両方にかかわることです。そんな“核酸食の効果“をよりよく理解するためには、活性酸素という悪玉が、どんな場面で発生するかを知ることも必要でしょう。発生のメカニズムを知らずして、防衛策を講じることはできません。活性酸素が発生するのは、次のような場面です。

①細胞内のエネルギー代謝

生物の生体活動エネルギーは、細胞内のミトコンドリア(動植物の細胞質中に多数分散して存在し、存在し、自己増殖する顆粒状の小体。細胞内の別細胞的存在)が酸素を利用して作り出します。人間の場合、成人で1日あたり約2000カロリーのエネルギーが必要で、出きるかぎりこのエネルギー代謝を絶やすことはできません。

皮肉なことに、酸素を利用して行う細胞内のエネルギー産出過程では、どうしても活性酸素が発生するのです。つまり、生きるという根本において、活性酸素の発生は避けられないということです。

ただし次の点には注意が必要です。

注意

過度な運動や疲労や精神緊張といったストレスは、必然的にエネルギー消費を高めます。また過食や肥満もエネルギー消費を高めます。エネルギー消費が増大することは、そのまま活性酸素の過剰生産に直結してしまいます。

生体には、もともと活性酸素を解毒する力が備わっています。つまり私たちの体は常に、過剰に発生した活性酸素を一生懸命解毒しているのです。しかし加齢にともなって、この活性酸素解毒能力は衰える宿命にあります。したがって、年齢が進むにつれて、過度な運動、過労、精神的緊張といったストレスの悪影響は増大するということです。

それにしても見事なまでに一致するものですね。すなわち、加齢にともない活性酸素解毒力が低下し、活性酸素の悪影響に直撃されるようになるにつれて、成人病の発症率が高まり、またガンにかかる率も高まるのです。

②細菌やウイルスの感染

これまで活性酸素は悪役であると強調してきました。しかし実際には、活性酸素は悪さばかりではなく、その反面で私たちの体を守る重要な役目も担っています。

私たちの体は、細菌やウイルスなどの外敵に対して対抗するための免疫機能をもっています。免疫機能とは、すなわち人体防衛軍にほかなりません。この人体防衛軍の主要メンバーは、白血球としてくくられる免疫細胞群です。白血球の中にはマクロファージ、好中球ほか、いくつもの種類がありますが、それらは互いに連帯しながら、見事なままに組織的な戦略を展開して外的を排除してくれます。

この対細菌・ウイルス戦争の中で、重要な兵器の一つとなるのが活性酸素なのです。

白血球の仲間であるマクロファージや好中球は酸素から活性酸素を作り出しては、これを武器として敵である細菌やウイルスを攻撃します。しかし、やはり不都合はあります。免疫細胞が攻撃兵器として使うために作った活性酸素は、外敵の周辺の組織細胞にまで被害を生じさてしまうのです。まるで近代戦争そのまま、外敵を駆逐するはずの防衛戦争にあっても、市民である組織細胞の被害を避けることができないということです。

この点を考えるなら、しばしば風邪などの感染症にかかる人は注意すべきでしょう。免疫防衛軍が活躍する機会の多い人とは、そのまま活性酸素の発生量が多いが活性酸素の解毒が弱い人だからです。「風邪は万病のもと」というのは、こうしたメカニズムの上でも事実なのです。

ちなみに,免疫防衛軍は体内反乱分子であるガン細胞に対しても、これを発見したときには攻撃をしかけます。進行ガンにあっては、ガン細胞の数も膨大ですから、必然的に活性酸素の発生量も激増します。ここのも、対ガン戦争が自己の生命力をかけての消耗戦になる大きな理由の一つがあります。

③薬物の影響

深刻な医薬品の副作用として注意しなければならないのが、肝障害や溶血性貧血です。

たとえば、抗結核剤であるINAHという薬品は、体内で代謝される過程でアセチルラジカルという活性酸素様物質が発生し、これが肝細胞に大きなダメージを与えると肝障害として表面化します。

その他の場面でも、薬物の副作用として肝障害、腎障害、貧血などが発症するときには、その背景で活性酸素が関与していることが多いと思ってよいでしょう。

また、ある種の抗ガン剤は、ガン細胞に取り込まれたときに活性酸素を生み出すことで、ガン細胞のDNAを破壊してこれを死に至らしめます。しかしすでに述べたように、抗ガン剤は、必ずしもガン細胞のみを攻撃するわけではありません。実際には、ガン細胞のみを選んで攻撃することなど不可能であり、特に分裂増殖の活発な組織細胞である骨髄細胞や毛根細胞などには大きなダメージを与えます。もちろんこの場合も、抗ガン剤の作る活性酸素が、組織細胞のDNAを破壊しているのです。

私たちは、鎮痛剤や風邪薬などの治療薬を、不用意に使用してはいないでしょうか、こうした種類の薬剤が私たちの体に入ったときには、それが代謝される過程で多かれ少なかれ、通常よりも過剰な活性酸素の発生させていると考えるべきではないでしょうか。

④喫煙の影響、

タバコの煙がガンの代表的な原因の一つであることは、疫学的にも疑う余地がありません。アメリカの端を発する、いささかヒステリックな嫌煙権運動の是非を云々する向きもありますが、ガンを予防する第一歩として、自分にも家族にも、また他人にもタバコの煙を吸わせないのが重要であることには、まず議論の余地がありません。タバコをやめるなら、ガンの危険は、確実に、しかもきわめて低くすることができるのです。

タバコの煙の中には、大量のタールのはかに、一酸化窒素=NOや二酸化窒素=NO2などが含まれています。これらは気管支の粘膜から吸収されて、マクロファージを刺激し、活性酸素の代表格であるスーパーオキサイドを大量に発生させます。スーパーオキサイドが、もちろんDNAを損傷します。

タバコを吸う人は、吸わぬ人に比べて、肺がんで4倍以上、喉頭(こうとう)ガンで32倍以上も発病の危険が高まります。喫煙にともなって過剰に発生する活性酸素は、血液中に取り込まれ、呼吸器系以外の組織細胞のDNAにも恒常的な悪影響を与え続けます。したがって、タバコを吸えば、あらゆるガンの危険が高まると考えるべきでしょう。

最近では“低タール”を売り物にしたタバコも売られていますが、タールが低くても活性酸素が低いとはいえません。

⑤紫外線・放射線などの影響

紫外線や放射線は、電磁刃の中の一群です。電磁刃の中には、テレビやラジオや通信に使われている電波もあります。これらの中には、ある一定以上の強さになると人体の細胞に悪影響を与えるものが数多くあります。

紫外線は、太陽光線に含まれています。フロンガスによるオゾンホールの拡大に関連して、私たちが暮らす地表に降り注ぐ紫外線の量は増大しつつあり、無防備に太陽光線を浴びることは危険だという認識も広まりました。私たちは、この地球上で生きる以上、完全に太陽光線から隠れて暮らすなどできません。また太陽光線は、有害な紫外線を含む一方で、あらゆる生命活動を支えるエネルギー源でもあります。人体にあっては、ビタミンⅮ合成にも、ある程度の紫外線が欠かせません。ですから、紫外線の危険は、あまり神経質に心配してもどうにもなりません。

ただし、かつて健康の象徴のようにいわれた日焼けは、心して避けるのが賢明でしょう。まして、ギラギラと降り注ぐ太陽光の下に、わざわざ素肌をさらして真っ黒に日焼けしょうなどという魂胆は、自分の体のDNAに好んで損傷を与えているに等しいと思うべきです。

放射線は、これも宇宙から常に降り注ぎ、また大地からも放射されています。しかし普通なら、ジェット旅客機などで超高速を飛行するような場合以外は、悪影響を受けるほど放射線量を浴びる心配はありません。

注意しなければならないのは、レントゲン検査です。

レントゲン検査とは、つまりかなり大量の放射線を浴びることです。たしかに1回受けたからといって、すぐにDNAの損傷を心配するほどの量ではないでしょう。しかし体の臓器ごとに、しかも年に1回なり2回なりの定期的なレントゲン検査をうけるとなると、心配しないわけにはいきません。

ある専門家の推計では、レントゲン検査で治療できるガンの数よりも、レントゲン検査によって誘発されてしまう数のほうが多いという結論もあるほどです。つまり、レントゲン検査など受けないほうが、実はガンによって生命を奪われる危険が少なくなるということです。

いまだにガン検査が無批判に推奨されている日本の現状は、その意味できわめて後進国だといわねばなりません。私見として断言させていただけば、私なら、自分の健康のために、必要最低限のガン検診しか受けません。同様の意見を公にする医学専門家も、いまだ絶対数は少ないながら増えつつあります。

一般の電波にも危険があることを知っておきましょう。アメリカで行われた疫学的統計によると、携帯電話を頻繁に使用する人では、脳の側頭部のガン発症の危険が高まるとされました。また自動車に装着された自動車電話のアンテナの至近に立つ人は、危険性のあるほど強い電波を浴びることになるという意見もあります。

通信の発達した現代社会にあっては、知らず知らずのうちに、危険なレベルの電波を浴びている可能性があることを知り、できるなら避ける努力するべきかもしれません。むずかしいことです。しかも公にはなかなか説明されていません。しかし、たとえば大型テレビを間近で見るようなことは、やはり避けたほうが安全なのです。大型テレビのブラウン管は、比較的強い電磁波を放射しています。

ちなみに、紫外線は一重項酸素という活性酸素を発生させ、DNAを損傷します。

放射線は、細胞内の水に作用して、やはり活性酸素を発生させ、DNAを損傷します。ガンの放射線治療とは、このメカニズムを理解してよいでしょう。最新の放射線治療では、ガン細胞のある局部に放射線を集中する技術も向上しています。したがって、放射線治療にあっては、抗ガン剤治療よりも他の正常細胞を受ける危険が少ないといえるでしょう。

⑥虚血状態の影響

血管は酸素を運ぶパイプでもあります。したがって全身の血液の流れが悪くなったとしら、全身の広い範囲の組織細胞が酸欠状態におちいります。体のどこかの部分の血流が悪くなれば、その部分の組織細胞が酸欠状態におちいるのです。

この酸欠状態も、活性酸素を過剰発生させます。また血液の流れが回復して必要な酸素が供給され始めたときにも、やはり活性酸素の過剰発生がみられます。

心筋梗塞は、心臓の筋肉へ血液を送る冠動脈に血栓ができて血流が阻害されて起こる発作、つまり心臓の筋肉が虚血状態におちいった結果です。命に別状なく発作がおさまれば、再び血流が回復します。心筋梗塞にあっても、この双方の状態で活性酸素の過剰発生がみられ、これによっても心筋が障害をうけることがわかっています。

心理的ストレスも、慢性的な虚血状態を招きがちです。常に心理的ストレスにさらされ、これを解消できない人は、全身の血行が悪くなっているのです。ストレスが様々な病気の引き金となるのは、血行が悪いために活性酸素が過剰発生していることとも深い関係があります。

ストレスといえば、ストレスが招く肩こりも血行不良の原因であり結果であることを忘れていけません。たかが肩凝りでありながらも、活性酸素の過剰発生を招いてるということです。肩凝りは、軽い適切な運動やストレッチで軽快します。あるいは知らず知らずの緊張感が肩に無駄な力を入れさせた結果の肩凝りなら、瞑想などによってリラックスすることで解消することが可能です。

日本人は肩凝りが多い民族だといわれます。しかし肩凝りは解消できること、また解消するべきだということを忘れないでください。肩凝りが日常的な人の体では、やはり活性酸素の発生が多いのです。それは万病のもとであり、またガンの危険を高めます。

⑦食品添加物、食品中の過酸化脂質の影響、

法律で使用が許されている食品添加物や食品関連物質の中にも、弱いながらも発ガン性が心配されている物質があります。代表的なところは、次のとおりです。

レモンやオレンジなどの柑橘類に使用されるOPP。カズノコの漂白・殺菌、およびロングライフ牛乳容器に使われる過酸化水素。チューインガム、市販の漬物、カマボコなどの魚肉ねり製品、醤油、ソース、清涼飲料水、乳酸菌などに使われるサッカリン。パンに使われる臭素酸カリウム。菓子類、清涼飲料水、洋酒などの食品、および医薬品や化粧品などにも使われる食用赤色2号(別名アマランス)。食肉加工製品や魚肉ハムや魚肉ソーセージなどに使われるN・ニトロソジメチルアミン(別名ジメチルニトロソアミン)。魚介冷凍品、バター、マーガリン、市販のデンプン、サラダ油、魚介類、即席めん、生めんなどに使われるBHA。

これらの添加物類は、どんな製品にも必ず使われているわけではありません。

最近では、こうした添加物の使用を避けた製品を選ぶことができるようになってきました。したがって、食品を購入するときには、添加物等の使用表示を常にチェックして、できるかぎり安心な製品を選ぶ努力をしたいものです。

また、食材として完全には避けがたい添加物の害を少なくするには、かたよりなく、できるだけ多くの食材を利用するようにするべきでしょう。より種類の多い食材を食べることは、ある一定の添加物ばかりが体内に入る危険を低くしてくれます。

さて、発ガン性の心配のある食品添加物は、やはり活性酸素を発生させる物質だと思ってください。また市販の野菜類の大半に、微量とはいえほぼ必ず残留している農薬も、やはり活性酸素を発生させる物質です。

植物油やマーガリンなどの油脂食品が古くなると酸化します。酸化した油脂とは過酸化脂質すなわち活性酸素の仲間です。テンプラ油を、もったいないからと何回も使う人もあるようですが、これはわざわざ好んで過酸化脂質を食べる結果になります。市販のポテトチップスなども、製品が製造されてから時間がたつにつれて、揚げ油が酸化される危険が高いと考えておきましょう。インスタントラーメンなどの中には、過酸化脂質も多く含んでいるものが少なくありません。

魚や肉の焼き焦げた部分には、非常に強い発ガン物質とされるヘテロサイクリックアミンが含まれています。食品に繁殖するカビは、可能な限り口に入れないように配慮したいものです。

⑧環境中の発ガン物質、

私たちは絶対欠かすことができない環境物質といえば、まずは大気であり、そして水です。どちらも一瞬たりとも欠かすことのできない重大無二な物質です。にもかかわらず。大気と水を中心とする環境悪化は深刻です。

私たちが呼吸する大気の中には、工場の排煙や車の排気ガスに由来する汚染物質が蔓延しています。今や、大気汚染は都市部とその周辺のみの問題ではありません。地球上あらゆるところの大気が、多かれ少なかれ汚染されてしまっているのです。

大気汚染物質の中には、二酸化窒素=NO2などに代表される活性酸素発生源が数多く含まれています。またこれらの汚染物質は酸性雨は植物に悪影響を与えると共に、地下水、水源水になり、最終的には私たちの飲用する水道水の質にも影響を与えることになります。

酸性雨の影響もあり、場所によっては工場排水や田畑やゴルフ場などで使用される農薬の影響もあり、またその他の原因も重なって汚染された水道水源水は、いかに労を費やして洗浄したとしても、その中に汚染物質を残してしまっていのが現状です。また水道水中の残留有機物は、現状では水道水を殺菌するためにいたしかたなしに多量に使われている塩素と結合することで、トリハロメタンという強い発がん物質を作る結果にもなっています。塩素そのものも、殺菌力=殺菌という細胞を殺す力を持っている以上、私たちの体の細胞組織にとっても毒性物質です。

一般に、水道水中のトリハロメタンの量は、すぐに影響を心配しなければならないほどではないとされています。しかし微量であっても、長い年月にわたって常にトリハロメタンが体に入れとしたら、その影響がまったくないと考えるのは不自然でしょう。トリハロメタンは一例でしかありません。水道水中には、微量であるとはいえ、数多くの化学物質などの環境汚染物質が残留していることが、公の機関によっても認められています。

こうした汚染は、今や水道水だけの問題ではありません。かつては安全でおいしい水の象徴のようにいわれた、湧水や井戸水などからも、汚染物質が検出される例が激増しています。

しかし大気の場合と異なり、水についてはある程度の対策を講じることは可能です。もっとも有効、かつ必ずとるべき対策といえば、水道水の蛇口に浄水器を設置することでしょう。家庭用の浄水器は多種多様な製品が市販されていますが、できるだけ大型で、処理能力の高いものを購入したいものです。

また浄水器の機能そのものである。“浄水カートリッジ“は、その使用限度が定められています。限度を超えて使用すると、浄水能力が低下するばかりでなく、カートリッジ中にたまった汚染物質などが、処理水中に溶け込んでしまう危険もあります。

口に入る水、体の中に取り込まれる水は、すべて浄水器を通したものとするべきでしょう。飲む水はもちろんのこと、調理に使用する水も同様です。

大気となると、個人としての対策はほとんど不可能です。まさか防毒マスクをして日常生活をするわけにはいきません。地球社会全体として、大気汚染の原因となる排煙や排気ガスの低減を図るしかありません。これには、自家用車の使用法を考えるなど個人的な努力も含まれることになります。

以上のように、私たちは常に活性酸素の過剰産生の危険にさらされているのです。こうした危険は、できるだけ避けるようにいたいと願いつつも、実際となるとかなりむずかしのが実情でしょう。どうしても過剰に発生しがちな活性酸素を体内で無毒化するための方策を考えるべきです。

SOD様食品という言葉をご存じの方も多いと思います。これは、活性酸素を除去する性質をもった成分を含んだ食品のことです。こうした食品を積極的に食べるようにして、体にもともと備わっている活性酸素除去能力の要であるSOD=スーパー・オキサイド・ディスムターゼという活性酸素解毒酵素の働きを補助することが大切です。

またいずれにしても、どんな人であっても、常にDNAの内のいくらかが損傷を受けているわけレスから、その損傷をできるだけ速やかに回復させる努力も必要です。次では、この二点についての話題を深めることにしましょう。いうまでもなく、主役となるのは核酸です。

 

核酸フカヒレコラーゲンマルチビタミンミネラルNMNでサーチュイン遺伝子活性化

 

 

 

 

 

 

まずはこちらをお読みください

老いなき世界の著者 1

「失礼ですがお歳は?」若い人は素直に答えて、35歳を過ぎた女性のほとんどが自分の歳を閉口しているか、いつも7歳か八歳くらいはサバを読んで答えてはいるが・・・ では、若く見られるにはどうしたらいいのか。 ...

-老化現象(ゾンビ細胞), ガン

© 2024 老いなき世界