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高核酸食が遺伝子を守る--老化を防ぐ4-1

目次

遺伝子レベルのガン予防

ガンを予防するために必要な基本は、次の4点です。

①DNA中のガン原遺伝子が損傷を受けて、ガン遺伝子として活性化しないように、DNAを守る。

②損傷遺伝子を持つ異常細胞に替わる正常細胞の新生を促進する。

③誰の体にも備わっている免疫力を高め、これによって、より確実にガン細胞を排除できるようにする。

④ガンの栄養素となる、体内でデノボ合成される核酸の比率を下げるために、食品として積極的に核酸を摂取し、これによってガン細胞を兵糧攻めにする。

これらの内の④は、核酸による対ガン戦争の戦略の中でもっとも理解しやすいものであり、もっとも有力なメカニズムです。しかし他の三つにも、核酸が密接に関係していることを忘れてはなりません。

さて、主としてこの四点を掘り下げることになりますが、課題の性質上、どうしても複雑な展開になってしまう可能性があります。そこでまずは、全体の話をダイジェストする形で網羅(もうら)することからはじめることにしましょう。ここからしばらく“ダイジェスト・コーナー”を読んでいただくだけでも、核酸とガンとの関係の概略を理解できるように書き進むことにします。

遺伝子を作っている物質はどの生物も同じ

ここまでお読みになったあなたには、高核酸食とは、すなわち他の生物のDNA=遺伝子をたくさん食べることだということがおわかりのはずです。

この点をめぐっては、誤解を招かないために少し整理しておく必要があります。

実をいえば、核酸とは、 それがそのまま遺伝子DNAの全体ではありません。またDNAとともにRNAも核酸であり、“良質な核酸食”を考えるときにはRNAの存在も無視するわけにはいきません。

遺伝子をめぐる用語に、若干未整理な部分があるために話が分かりにくい面があるのですが、便宜上、遺伝子全体を指す言葉として使われているDNAとは、デオキシリボ核酸の訳語であり、遺伝子の素材を意味する言葉です。遺伝子の素材としては、デオキシリボ核酸のほかに、もう一つリボ核酸があり、こちらはRNAと略されています。

ここで、”遺伝子“という言葉の使い方をめぐって混乱を整理しておくことにしましょう。

生物の体内の遺伝子の主役は、デオキシリボ核酸(DNA)によって構成されるDNA遺伝子です。遺伝子のことをDNAと呼ぶのは、DNA遺伝子こそが生命の誕生と遺伝継承の本体だからです。

体内にあっては、DNAと共同して働くもう一種類の、リボ核酸(RNA)のよって構成されるRNA遺伝子があります。つまり体の中の遺伝子を構成する核酸は、DNAとRNAの2種類があるということです。

生物個体の遺伝子全体を意味してDNAという言葉が使用される時には、DNAとはその生物個体の設計図であり、生命活動の命名プログラムです。すでにおわかりのように、DNAがその綿密精緻(めんみつせいち)な働きを実行するために、RNAの協力が絶対不可欠です。

“核酸”という言葉を使うときには、遺伝子を構成する素材としてのDNAとRNAの両方を意味します。すべての遺伝情報を持つ遺伝子としてではなく、核酸としての意味に使われるDNAとRNAが分解されると、核酸成分であるヌクレオチドとなり、それがさらに分解されるとヌクレオシドという物質になります。

さて、遺伝子の素材であるDNAとRNAを構成する成分(塩基)は、単細胞から多細胞の高等生物にいたるまで、すべて同じ物資です。生物ごとの違いは、DNAとRNAを形成する4つの塩基を中心とする4つのヌクレオチドの配列の違いだけです。この配列のされ方によって、身体の形や機能、大きさ、寿命、生命活動のメカニズムなど、すべての遺伝情報が決定されているわけです。

つまるところ、生物ごとの遺伝子に記された遺伝情報はすべて異なりますが、遺伝子を作っている物質であるヌクレオチドは、どの生物をみても共通しているということにほかなりません。

ここに高核酸の意味があります。

ところで旧来の栄養学で重視されていた、また一般にも重要不可欠なものとして知られている栄養素には、タンパク質や糖質(デンプン質)がありますが、これらは化学的にいうならば高分子の物質です。ごく大まかにいうなら、このような高分子の物質は、人間の体の中で合成することができないために、他の生物の作り出したものを食品として摂り、体内で分解・吸収し再合成する必要があるのです。

では核酸はどうかといえば、やはり高分子の物質です。にもかかわらず、これが食品成分としてつい最近まで重視されず、注目もされなかった理由は、次の二点に整理することができます。

①たしかに体にとって必要不可欠な物質ではあるが、タンパク質やデンプン質に比べて必要量が圧倒的に少ないため。

②あえて外から食品として摂らなくても、肝臓、そして一部は腎臓で行われるデノボ合成によって体内で作られるため。

しかし実際には、この二つの見解には間違いがあったのです。課題は重複する部分もありますが、復讐の意味も込めて整理しておくことにしましょう。

加齢のともない核酸が不足する

肝臓と腎臓は、たしかに、食品として摂取したタンパク質由来のアミノ酸を素材として、核酸をデノボ合成しています。したがって、あえて高核酸食を意識しなくても、あなたの中で常に作られる新しい細胞の核となるDNAの素材は調達されているのです。

しかし肝臓や腎臓の働きは、誰の場合でも、ほぼ20歳を過ぎる頃を境として低下してしまいます。つまり、20歳過ぎの人では、核酸をデノボ合成する力が年を追うごとに弱くなってしまうということです。

この点には重要な意味がありました。年齢を重ねるにしたがって、細胞分裂を重ねるDNAにとって必要不可欠な素材である核酸が、慢性的の不足する危険が高くなる結果、次のような心配事が生じます。

新陳代謝とは、古い細胞が新しい細胞に置き換えられることでした。そのために、常に絶えることなく、DNAの複製にはじまる細胞分裂が順調に行われなければなりません。

あなたの体の中にあって新陳代謝のもっとも盛んな部分といえば、胃壁や腸壁の細胞です。この部分の細胞の中には、わずか数日のうちに新しい細胞の置き換えられるものがあります。

免疫の主役を担う白血球も入れ替わりの速い細胞でした。赤血球にしても同様で、これは100日前後を寿命として、常に新しい赤血球との交替をくり返ししています。

体の中には、脳細胞のように決して新陳代謝されない細胞、少しずつ死んで減りはするが一生涯生き続ける細胞もありますが、ほとんどの細胞は新陳代謝されていて、体全体を平均すれば、およそ200日の周期で、古い細胞は新品の細胞の置き換えられると考えていてよいでしょう。

そうした中で、もしも核酸の不足が慢性化してしまったら、果たしてどうなるでしょう。

当然の帰結として、遺伝子が正しく複製されない危険性が高まります。異常や欠落を持つ遺伝子は、異常細胞を作るか、または細胞を形成することなくついえています。良質な素材が不足していれば良質な遺伝子が作れず、したがって“よい細胞”が形成されないのは、しごく当たり前の理屈です。

核酸食品で老化は防げる

とはいえ、遺伝子に異常や欠落がある細胞は、通常であれば自殺しますから、そのまますぐに、“遺伝子損傷が原因となる疾患“が表面化するわけではありません。とはいえ、核酸が慢性的に不足していれば、自殺した異常細胞を補うべき正常細胞の”生涯“も不足しがちになるはずです。

つまり、全体としての細胞分裂のスピードは低下せざるを得なくなります。これにより、細胞単体として老化しているにもかかわらず、さらに無理な“現役仕事”を続けなければならない細胞も増えてしまうでしょう。たとえていうなら、体内が高齢化社会になってしまうわけです。こうした“社会環境”は、それ自体がガン細胞という異常細胞が発生する温床となり、同時に反乱分子であるガン細胞の横暴を放置せざるを得ない環境ともなります。

こうした見方を裏付ける研究の中で、もっとも広く知られているのは、アメリカの臨床医=ベンジャミン・フランクが行ったものです。彼のその研究は「核酸食品を積極的に食べた場合には老化が遅くなる」という臨床的事実に基づいた、日本語「老化は食べ物が原因だった」という本にまとめられ、大きな課題をよびました。

ここであなたの周辺の人々をみわたしてみてください。老人は、どうして縮んでしまうのでしょう。あなたの周囲にも、かつての体の大きさよりずっと小さくなってしまった老人が数多くおられるはずです。

老人が縮むのは、単に枯れてしまったからではありません。たしかに老人の体では、水分量が減少しています。赤ちゃんなら体重の80%以上が水分の重さであり、老人以前の成人では65%程度が水分であるのに、高齢の老人では水分比率が50%に減少してしまっているのが普通です。しかし老人が縮んでしまう理由は、それだけではありません。

あるいはショッキングな事実かもしれませんが、老人では、細胞総数が激減しているのです。総数約60兆個という細胞の数は、老化以前の体の場合だったのです。もちろん人によっては様々であるという前提のもとでの話ですが、高齢の老人では、細胞の総数が30兆程度まで激減しているという場合もあります。

中には、高齢にもかかわらず体ともに、かくしゃくとしている方もいないわけではありません。私は、そうした方を目にするたびに思うのです。そういう方の体の中には、核酸が豊富に違いありません。おそらく、肝臓も腎臓もきわめて健康なのでしょう。同時に、知らず知らずのうちに、核酸の豊富な食品を食べていた方でもあるのでしょう。下図をみながら確認しておきましょう。

核酸は老化病気を防ぐ

核酸不足は、老化を不必要に進めてしまうということにほかなりません。老化の進行は、そのままガンの危険が高まることであり、他の様々な疾患の発病の危険も高まります。

核酸食は抗ガン剤の副作用を低減する

抗ガン剤の副作用と、その副作用を低減する核酸の効果については、

抗ガン剤とは、ごく簡単にいうなら、細胞の新陳代謝を阻害する、いいかえるなら免疫力のみならず生命力そのものにまでダメージを与える薬剤です。ガン細胞の新陳代謝を選択的に阻害することを目的としているとはいえ、その性質上、ガン細胞以外の正常細胞にもダメージを与えることが避けられません。

制ガン剤の選択性の本質が「分裂増殖の盛んな細胞」というところにあるのですから、ガン細胞と同様に、あるいは種類によってはそれ以上に分裂増殖の活発な正常細胞は、必然的に大きなダメージを受けることになります。

もちろん胃壁や腸壁の細胞は、抗ガン剤の副作用として大きなダメージを受ける細胞組織の代表格です。したがって、抗ガン剤の投与を受けながら、生命活動の根幹である消化吸収の力が低下し、この意味でも生命力・体力そのものが低下していまいます。免疫力の低下は、分裂増殖が盛んな免疫細胞である白血球がダメージを受ける結果であるとともに、生命力の低下によっても促進されてしまうのです。

これらの点を注視するなら「抗ガン剤による治療とは、ガンで死ぬか、それ以前に副作用で死んでしまうかの、厳しい追いかけっこである。」という側面は、確実なこととして認めざるを得ません。

ガン細胞は食べた核酸を利用できない

抗ガン剤の深刻は副作用を抑制する“武器”としての高核酸食をご紹介しました。しかしその形での高核酸食は、核酸の持つ効果のごく一部でしかありません。実際をいうなら、高核酸食には、抗ガン剤と併用しなくても、ガン細胞の部分を抑制する効果があるのです。

何回も書いてきたことですが、ガン細胞も、異常細胞とはいえ細胞ですから、分裂増殖するには核酸が不可欠です。しかし、ガン細胞が利用できる核酸とは、もっぱら肝臓と腎臓がデノボ合成した核酸で、食事として摂る高核酸食由来の良質な核酸の場合は、ガン細胞には利用できにくいのです。

これは、ガン細胞が未熟な、不安全な細胞だということに原因があるようです。この点については、専門の学者の中にもいくつかの意見があるようですが、もっとも有力な意見は「ガン細胞は未熟細胞であるがために、未熟な核酸のほうが利用しやすい」というものです。

これは少しばかり曖昧な表現になりますが、私たちが摂収した高核酸食とは、ヌクレオチドやそこからリン酸がはずれたヌクレオシドとして吸収され、各細胞で新陳代謝の原料として利用されます。一方、肝臓と腎臓によるデノボ合成では、数段階のプロセスを経るヌクレオチドを合成しますが、ガン細胞は、ガン細胞は、まだプロセスの進まない、未熟な段階での核酸しか利用できないという考えです。

化学的にいいかえるなら、ガン細胞が取り込み利用できる核酸とは、核酸としてしっかりした構造式の階段にまで達していまい核酸であり、核酸としての構造式をしっかり持ってしまった核酸は取り込みたくても摂りこめないのだろう、と考えられるのです。

こうしたメカニズムの解明は脇に置くとして、ガン細胞は、高核酸食由来の核酸は利用しにくく、体内でデノボ合成される核酸を利用したがるというのは、すぐに数多くの研究によって確認されている事実なのです。

逆の側面も忘れてはいけません。正常細胞は、高核酸食由来の核酸が豊富であれば、それを好んで活発に利用し、よりスムーズな分裂増殖を行います。

アメリカでは、こうした面に関する研究はずいぶん進んでいます。そうした研究の中には次のような注目すべき結果を示したものもあります。

日本では、森重福美博士が、シャーレ中のK-562

というガン細胞に核酸(DNA)を与えると。118頁のグラフのように、核酸濃度が高いほどガン細胞の増殖率が低下し、ガン細胞は最終的に死んでしまうことをたしかめました。実験室におけるものだとはいえ、この結果の意味するところはきわめて大きいのです。

つまり、高核酸食として好ましい高分子の核酸をガン細胞に対して大量に与えた場合、それだけでもガン細胞の増殖がストップするというのですすなわち、高核酸食には、抗ガン剤治療にともなう副作用を抑制する効果があるより以前に、それ自体だけでも積極的にガン細胞の増殖を抑制する力があるということにほかなりません。

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