ガン
<ガンと核酸>
私たちの体は、新陳代謝を通して、日々新しい細胞と古くなった細胞入れ代わっています。
膨大な数の細胞が生まれ、その数に見合った数が消えているのです。不要な細胞や異常な細胞は、アポトーシス(自殺)しているのです。
このような新陳代謝を行うことで、遺伝子が傷ついた細胞を増殖させないようにしているのです。
アポトーシスは、予防の大きな力となっているわけです。しかし、たとえばガン細胞は、生殖細胞と似た性格をもっていて、無限に増殖する性質をもっています。
ここで重要な働きをするのが核酸です。
たとえばハーバード大学の研究で、小腸の上皮細胞に、核酸成分であるAMP(アデニル酸)とCMP(シチジル酸)を作用させた場合と、何も作用させない場合との12時間後のアポトーシス指数を比べると,AMPを作用させた場合は約3倍にもなることが明らかになっています。
その作用のメカニズムは、AMPガン抑制遺伝子(P53)を活性化することにあると考えられています。
ハーバード大学の研究は、正常細胞での実験結果ですが、ガン抑制遺伝子を活性化することから、核酸がガンの予防や改善に大きな関わりを持つことがわかります。
また最近では、核酸成分のATP(アデノシン3リン酸)から作られるサイクリックAMPがラップ1というタンパク質を増やし、ガン細胞の増殖を抑えることもわかってきました。