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高核酸食が遺伝子を守る--老化&病気を防ぐ4-3

目次

核酸とヌクレオチド

では高核酸食として摂取した核酸成分は、体内にあってどのように消化吸収されるのでしょう。また消化吸収、さらに代謝排泄される過程と関連して、具体的にはどのような形でガンの予防や治療の可能性を高めるのでしょう。

まずはDNAを構成する素材であり、すなわち核酸の構成単位であるヌクレオチドという物質について再認識しておきましょう。

ヌクレオチドは、塩基と糖とリン酸が結合したものであり、DNA=遺伝子の全体をブロック細工と見立てるなら、ブロックの一つひとつに相当します。ヌクレオチドの塩基はプリンまたはピリミジンという物質であり、糖はリボースまたはデオキシリボースという物質です。

核酸とは、このヌクレオチドが互いに結び付いてポリヌクレオチド、すなわち高分子ヌクレオチドとなったものと説明されます。さらに核酸のうちでも、糖の部分がリボースとなっている核酸はリボ核酸であり、これがRNAでした。糖の部分がデオキシリボースであれば、これはデオキシリボ核酸であり、その略称であり、その略称でありDNAは、すでにおわかりのように遺伝子の本体を意味する言葉としも使われています。

また、生体のエネルギー源であるATPも、ヌクレオチドの末端にさらに二個のリン酸が結合したものです。ちなみにATPとはアデノシン三リン酸の略称(りゃくしょう)であり、たとえていうなら、栄養素として吸収した“物品”を等価交換して“通貨”として効率よく蓄えるための物質と思えばよいでしょう。したがってATPは、生命のエネルギー通貨ともいわれます。

核酸由来のヌクレオチドは、遺伝子を構成する物質であるとともに。酵素を作る上でも、生体エネルギーは生み出す上でも、ともに欠かすことのできない物質だとだけ理解しておけばよいでしょう。ヌクレオチドに関連して、ヌクレオシドという言葉も知っておいてください。これはヌクレオチドからリン酸がはずれた物質の総称ですが、やはりヌクレオチドと同様にDNAと共にRNAの構成に、そして酵素の構成にも重要な物質です。

高核酸食は遺伝子を強力にサポートする

さて、高核酸食として摂取した核酸は、消化管の中で、膵液中にあるリボヌクレアーゼやデオキシリボヌクレアーゼによる加水分解を受けてヌクレオチドになります。さらにホスファターゼによってリン酸がはずれるとヌクレオシドになります。ヌクレオシドは、さらにヌクレオシダーゼによって分解されると塩基と糖(五炭糖)になります。

こうして分解された核酸成分のうち塩基に注目し、塩基に放射線同位元素標識を記した核酸をマウスに経口投与して、核酸成分が時間経過にしたがって体内でどのように分布するかを調べると、次のようなことが明らかになりました。

ここで思い出してください。DNAのヌクレオチドの塩基には、A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、Ⅽ=シトシンの4種類があり、RNAのヌクレオチドでは、これらのうちのTだけがU=ウラシルに置き換えられていました。

まずウラシルに放射線同位元素標識したRNAを経口投与したマウスでは、2~4時間でそのほとんどが消化吸収され、さらに8時間までのうちに消化吸収が進み、糞の中にはまったく排泄されませんでした。すなわち経口投与された核酸は、100%吸収されたということです。

こうして吸収されたうちの約半分近くは二酸化炭素にまで代謝されて呼気中に出ます。これは核酸成分がエネルギー源ろして消費されたことを意味しています。投与から8時間後の段階でマウスの体の組織内に取り込まれて残っているのは、約5~25%でした。その他は尿水に排泄されます。

投与後4時間における、各組織における分布を示したものです。組織に取り込まれたうちの約50%は胃腸にあり、40%は骨格ほか内臓組織に分布しています。

さらに詳しくみると、胃腸では大半がサルベージ合成された高核酸の形で取り込まれていて、逆に骨格では高分子核酸はわずかでしかなく、核酸成分がさらに分解された分解物の形で存在しています。

同様の実験は、チミン、アデニンなどに放射線同位元素標識を記したDNAやRNAでも行われ、それぞれに呼気中への排泄や分布にいささかの相違はあるものの、どの場合でも100%近くが吸収され、胃腸に高分子核酸の形で分布する比率が高いという点で共通していました。

総じて、この一連の実験結果からいえるのは、生物の体の中の組織は経口摂取した核酸をきわめて活発に摂取するということです。

逆にいうなら、肝臓が行なうデノボ合成のみで全身組織の核酸の需要が十分に満たされるのだとしたら、これほど活発な吸収はあり得ないはずです。実際、新陳代謝が活発な組織・細胞、すなわち皮膚・骨髄・小腸などは、食事由来の核酸を利用して肝臓で作られた核酸を利用することは少ないことはわかっています。ガン細胞が食事由来の核酸を利用せず、肝臓で作られた核酸を利用していることはすでに話しましたが、正常細胞、特に増殖が活発な正常細胞はちょうどガン細胞と反対の性質をもっているのです。

この点からみても、高核酸食は必要にして十分なだけのDNA素材の供給を保証するものであり、それが遺伝子の損傷を抑止すると同時に損傷された遺伝子の修復を促進する上できわめて重要な意味を持つことが、あらためて確認できます。

核酸は1日2g補給したい

人間の細胞組織の中で、もっと活発な細胞分裂をくり返しているのは、骨髄芽細胞、腸の粘膜細胞であり皮膚の基底細胞や生殖細胞も分裂の盛んな細胞です。

骨髄は、日々確実に消耗する血液細胞を補給するために、白血球や赤血球を盛んに作り出します。腸は経口摂取した核酸をもっとも直接的に利用できる部分であり、これを使えるがためにきわめて活発な細胞分裂が可能となっているのです。

皮膚は、基底細胞で作られる新しい細胞によって上皮が押し出され、押し出された上皮は角質層となった後、最後にはアカとして体の組織から脱落します。

思春期以降の男子では日々きわめて多数の精子が作られていますが、精子の本体とはそのままDNAであることからもわかるように、その素材としても大量の核酸が不可欠です。

こうした活発な分裂をくり返す細胞組織ばかりでなく、もっとおだやかな分裂を重ねている細胞組織も、同様に豊富な核酸があってこそ順調な活動を続けることができるのです。

核酸は、体内で古い細胞が分解されれば、その中のDNAを再利用する形でも補われます。しかしすべてが再利用されるわけではなく、体重50kgの人なら1日あたり約2gの比率で排泄されてしまいます。したがって、ガンなどの心配がない健康な人であっても、1日2gは、何らかの形で補給しなければなりません。

成長期の若さで、しかも健康な人であれば、肝臓でデノボ合成だけでも2gの補給は可能かもしれません。しかし肝臓のデノボ合成の能力は、加齢と共に確実に低下してしまいます。若くても,たくさんお酒を飲む人では、肝臓がアルコールの分解に全力をあげる結果となり、それだけでもデノボ合成の能力も低下してしまうでしょう。すでに肝臓のデノボ合成能力が確実に低下している中年以上のひとでは、飲酒の影響はもっとも深刻になるでしょう。

その低下した分の核酸は、食品として摂取して補うほかありません。しかもデノボ合成にたよる核酸の比率がたかいということは、そのままガン細胞の分裂増殖に利用されてしまう核酸が豊富だということと直結してしまいます。

若い人のガンは増殖が激しく早く死亡する、一方お年寄りのガンは増殖が遅く延命することが知られています。これは、デノボ合成能力の差です。お酒などで肝臓機能が衰えている人のほうが、ガンの増殖が遅いということです。

高核酸食がガンを兵糧攻めにする

高核酸食を積極的に摂取したとき、デノボ合成によって作られる核酸の比率は5%まで低められるという報告がります。つまり高核酸食とは、体内にあってガン細胞にも利用できる核酸の存在比率を、5%にまで低めることができるということにほかなりません。

もちろん、5%のすべてをガン細胞が利用できるはずはなく、そのほとんどは正常細胞に利用されてしまいますから、ガン細胞はまさに兵糧攻めの憂き目に合うわけです。

ガン原遺伝子が損傷されてガン遺伝子として活性化され、これによってガン細胞が発生し、さらに免疫系をはじめとするあらゆるガン抑止の網の目をくぐり抜けたとしても、そのガン細胞が、ガンという病気として表面化するまでには、9年くらいかかります。この段階で、一粒のガン細胞にはじまった分裂細胞は、およそ1gほどのガン細胞の塊、すなわち腫瘍にまで成長しているのです。

しかしこの段階にいたっても、まだまだ自覚症状はないのが普通でしょう。ガンとして診断できる可能性が出てくるのは、やっとこの段階になってからです。

それ以前の段階、すなわちきわめて小さなガン腫瘍を持ちながらも、それ以上の増殖がくいとめられていたり、あるいはいつしか小さくなって消えてしまい、それに入れ替わるように新たなガン細胞の分裂がはじまり、またそれが消えるというようなくり返しが行われているのは、中年期以降の人にあってはごくごく当たり前の状態です。

そんな状態の人が、もしも慢性的な核酸不足の状態におちいったとしたら、一気にガン細胞の増殖がはじまる危険があります。逆に高核酸食によってガン細胞を兵糧攻めにできる状態にあれば、ガンが表面化することなく腫瘍を縮小させるばかりでなく、すっかり消えてしまえる可能性も高くなります。

私たちは、旧来のガンに対するイメージをあらためるべきでしょう。ガンは特別な病気ではありません。いつでも体の中に潜在している病気の芽から始まるという意味で、健康な人にあっても常に共存している可能性のある病気です。

したがって無闇に恐れる必要はありません。ガン細胞が猛威を奮うほどに分裂増殖できない体内環境、増殖したくてもしにくい体内環境を保つなら、病気としてのガンの発現はかなの確実性で抑えることができるのです。

対ガン戦争における核酸は、少なくても実験レベルでは確実な効果があるだろうことが確認されています。それがそのまま人間の体にも当てはまるとは断言できませんが、人間でも多くの研究例が報告されています。

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老いなき世界の著者 1

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