厚生労働省が定める1日の摂取基準:女性 (50g)男性(60g)若い頃とはなんとなく違ってきたことの原因がここに:タンパク質の合成能力不足が招く、 体への悪影響とは?
目次
タンパク質不足 体がだるい→疲れが取れない
ちょっとしたことですぐ疲れる、疲れがなかなか抜けない、なんとなく体がだるい・・・。年齢のせいと片づけがちですが、実はそれはタンパク質不足の可能性が大。
体を支える筋肉はタンパク質でできているため、タンパク質が不足すれば筋肉量が落ち、ふんばりが利きません。
さらに疲労を回復する成長ホルモンが分泌できないため、疲れが取れにくくなります。
また、必要な酸素や栄養を細胞に運ぶ鉄が不足することで、各臓器の機能低下を招きます。
タンパク質など、食べたものをエネルギーに換えるためにはビタミンB群も必要。
これらの栄養素は肉や青背の魚に多く含まれるため、きちんと摂取することで解消するかも!
タンパク質不足 美容面→肌や髪の老化が進む
肌や髪の老化も40代からの女性にとって大きな悩み。これも年齢を理由にあきらめがちですが、もう一度食事内容を見直しましょう。
シワやたるみの原因は、肌のコラーゲン不足。いくらコラーゲン入りの化粧品をつかっても、それがそのまま肌のコラーゲンになるわけではありません。
重要なのは体内で合成すること。これには食事で、タンパク質、鉄、ビタミンⅭを摂取することが不可欠。
また、髪にツヤがない、ボリュームが出ないなども、タンパク質不足が考えられます。
髪の材料になるのもタンパク質で、亜鉛がその働きを助けます。 赤身肉には、タンパク質に加え、鉄も亜鉛も含まれるので、積極的に食べることをおすすめします。
タンパク質不足 更年期→不定愁訴がひどくなる
ほてり、のぼせ、多汗などのホットフラシュ、めまい、倦怠感、 精神的な落ち込みや不安感・・・更年期の症状はさまざまな形で現れます。
閉経により卵巣機能が低下し、女性ホルモンの分泌が急激に減少することで、ホルモンバランスがくずれることが原因です。
ここでも体やホルモンの材料になるタンパク質が活躍!さらに、 大豆製品に含まれるイソフラボンという成分は、女性ホルモンのエストロゲンの分子構造とよく似ているため、積極的に摂取したいところです。
また男性の場合は筋肉量を増やすことで、男性ホルモンの分泌を促すことができます。そこでもやはり良質なタンパク質が不可欠というわけです。
タンパク質不足 老後の体→将来寝たきりになりやすい。
骨の健康に必要な栄養素といえば、カルシウムが真っ先に頭に浮かびますが、実は骨のほとんどはタンパク質でできていますが、骨はタンパク質の線維で形が作られて、そこにリン酸カルシウムが沈着 している状態です。
まずは骨組みをしっかりさせることが先決。健康な骨のために、タンパク質は必須なのです。骨も定期的に生まれ変わっており、閉経により、それに関与している女性ホルモンが減少することで、一気に骨が弱くなります。
骨粗しょう症になると、ちょっとしたことで骨折して、寝たきりなることも。骨のコラーゲン合成を促すために、タンパク質に加えて、鉄とビタミンⅭも同時に摂取するといいでしょう。
タンパク質不足太る→代謝が落ち太りやすくなる
年齢とともに基礎代謝は低下します。基礎代謝とは、安静時でも生命維持のために必要なエネルギーのこと。基礎代謝の約40%が筋肉で消費されるので、筋肉量が減ると基礎代謝も下がります。
筋肉を 作るためにはタンパク質が必要。そのために、タンパク質を抜くような間違ったダイエットを行うと、筋肉量が減り、その後リバウンドして戻るのが脂肪だけという事態にも。どんどん瘠せにくい体になってしまいます。
筋肉維持はダイエットのためには不可欠。また骨格をささえるのも筋肉です。
老後に自立した生活を送るためにも、 今から筋肉量を減らさない努力が必要です。それにはタンパク質を しっかり摂取して、適度な運動、筋トレで筋肉を育てましょう。
タンパク質不足 心の病気→心の病気なりやすい
私たちの脳内には、セロトニンとドーパミンという神経伝達物質 が分泌されています。別名「幸せ物質」と呼ばれ、セロトニンが分泌されると幸福感が高まり、不足すると気分が落ち込んだり、キレ やすくなります。ひどくなるとうつ病に。
一方、ドーパミンは気持ちを奮い立たせ、やる気を起こさせる働きがあります。これらの材料になるのがタンパク質。その合成にはビタミンB6や葉酸も必要です。
そしてなによりも、幸せ物質をきちんと分泌させるためには、 腸内細菌の働きが不可欠。肉などのタンパク質とともに、たっぷりの野菜で食物繊維をとり、腸内環境をととのえることが大前提。 幸せな気持ちも、食事と腸がつくっているのです。
タンパク質不足 免疫力→細胞の栄養不足がガンを招く
私たちの体の細胞は、毎日2%ずつ新陳代謝によって入れ替わっています。そのとき、一部の細胞にコピーミスが起こると、そこから ガン細胞が発生します。
ガン細胞は毎日何千個もうまれますが、すべてが一人前のガンになるわけではありません。細胞の核内のDNAには「ガン抑制遺伝子」が納められており、これがコピーミスしたDNAの修復を行います。
このDNAの原料になるのがタンパク質。
また、コピーミスは活性酸素の攻撃も原因に。細胞膜が弱っていると、その害を受けやすくなります。
丈夫な細胞膜をつくるにはコレステロールが必要です。タンパク質とコレステロールがどちらも含まれる肉を上手に食べれば、ガン予防にもなるかも!?
タンパク質不足 体調やメンタルにもこんなに影響が!
タンパク質は人体の構成成分になるだけでなく、1gあたり4カロリーのエネルギー源になります。通常、食事をすると体が温まりますが、3大熱源のうち、糖質や脂質に比べて最も体を温める作用が大きいのがタンパク質。
また、強いストレスに遭遇したとき、腎臓から抗ストレスホルモンを分泌して対抗します。ストレスを受けても 頑張り続けられるのは、このホルモンのおかげ。その材料となるのもタンパク質。
そのため、「根性とスタミナの栄養素」といわれています。最近ではうつや認知症の背景にも、タンパク質不足あることが認識されています。
タンパク質合成 タンパク質の合成はDNA核酸の役割です。
人間の体の中には、約10万種類のタンパク質があるといわれ、肌や髪、筋肉や骨、内臓、血液など、体内の様々な場所で使われています。このたんぱく質は、たった20種類のアミノ酸の組合のによって作られているのです。20種類のアミノ酸は、体内で合成できない必須アミノ酸(9種類)と体内で合成できる非必須アミノ酸(人間では11種類)と分類されます。
例えば、食事でとったタンパク質は酵素(タンパク質)によってアミノ酸に一旦分解され、後に再びタンパク質として合成されます。
タンパク質がアミノ酸に分解される際、ビタミンやミネラルと言った栄養素が補助酵素として酵素の働きを助けますから、これらの栄養素が足りないとタンパク質の分解がうまくできません。ビタミンやミネラルの補給が大事なのは、こういう理由もあるのです。
しかし、酵素や補助酵素以上に重要と言えるのが核酸(DNA&RNA)なのです。
アミノ酸へ分解やタンパク質の再合成は、 DNAの指示によりメッセンジャーRNAが活動しなければ、どんなに酵素や補助酵素が十分でも始まりません。
ですから体内の核酸が不足したり損傷を受けていたりすれば、核酸はその役割を十分に果たせず、タンパク質の再合成がうまくいかなくなるということで、あらゆるの内臓(内臓はタンパク質の塊)機能がよわくなり、それは老化現象と病気の主要原因なの です。